ファクタリング会社から突然届く「口座開設キャンペーン」
ファクタリング会社からDMやメールが届き、そこに「口座開設キャンペーン」といった案内が記載されていることがあります。
「今なら口座開設で特典」「初回利用者限定」「口座を作っておけば急な資金調達にも対応できます」など、金融サービスらしいキャンペーンを前面に出した営業です。
口座を作るだけなら費用もかからず、将来必要になったときのために登録しておこうと考える経営者もいるでしょう。
しかし、ここで一度考えておきたいのは、なぜファクタリング会社がわざわざ口座開設を促すのかということです。
口座開設は「契約」ではないからこそ入りやすい
「ファクタリングを利用してください」と直接営業されれば、警戒する人もいます。
ところが、「まずは無料で口座開設だけ」「利用するかどうかは後で決められます」と言われると、心理的なハードルは一気に下がります。
ここに営業上の意味があります。
口座を開設してもらえば、その会社との接点ができます。その後、メールやDMでキャンペーン情報を送ることもできますし、電話による営業につなげることもできます。
つまり、口座開設そのものが目的というより、将来の利用者候補を囲い込むための入口になっている可能性があります。
もちろん、すべての口座開設キャンペーンが問題だという話ではありません。正当な営業活動として登録制度を設けている会社もあります。
重要なのは、「無料だから問題ない」と簡単に考えないことです。
一度登録すると営業対象になりやすい
口座開設後に、営業連絡が増えるケースには注意が必要です。
最初は「キャンペーンのお知らせ」だったものが、「最近、資金繰りはいかがですか」「今月は特別条件をご案内できます」といった具体的な営業に変わっていくことがあります。
さらに、DM、メール、電話、コールセンターなど複数の経路から連絡が来るようになれば、単なる情報提供とは言いにくくなります。
特に「口座を開設している」という事実によって、相手側からすれば既に接点のある見込み客として扱われる可能性があります。
最初はファクタリングを利用するつもりがなくても、資金繰りが悪化したタイミングで何度も営業を受ければ、「以前登録した会社だから、ここに頼もう」と考えてしまうこともあります。
「特典」に目を奪われない
キャンペーンで提示される特典も、冷静に見る必要があります。
キャッシュバック、手数料優遇、ポイント、ギフト券など、魅力的に見える条件を提示されることがあります。しかし、数千円や数万円程度の特典と、実際にファクタリングを利用した際に発生する手数料やその他の費用を同じ土俵で考えてはいけません。
重要なのはキャンペーンの特典ではなく、実際に契約した場合の条件です。
「キャンペーン中だから得」という印象だけで口座を開設し、その後の営業で契約まで進んでしまえば、最初に受け取った特典など比較にならない金額が動くことになります。
「口座だけ」のつもりが営業の入口になる
ファクタリングを今すぐ利用する予定がないのであれば、キャンペーンだからという理由だけで口座を開設する必要はありません。
特に、DMを送ってきた会社から電話がかかってき、その電話で口座開設を勧められ、さらに口座開設後にファクタリング利用を勧められるという流れには注意が必要です。
DMから電話へ、電話から口座開設へ、口座開設から契約へ。
一つひとつは強引に見えなくても、全体を見ると営業の導線ができていることがあります。
だからこそ、目の前の「無料」「特典」「キャンペーン」だけを見るのではなく、その先に何が待っているのかを考えることが重要です。
悪徳業者ほど「利用する前」から接点を作る
ファクタリングの被害というと、高額な手数料や契約後のトラブルを想像しがちです。
しかし、問題は契約した瞬間から始まるとは限りません。
DMを送る。電話をする。無料登録を勧める。キャンペーンを提示する。そして、資金が必要になったタイミングでファクタリングを提案する。
このように、利用者が困る前から接点を作っておく営業方法も考えられます。
だからこそ、口座開設キャンペーンを見たときには、「特典がもらえるか」だけではなく、「この登録によって自分はどのような営業を受けることになるのか」を考える必要があります。
本当に必要になったときに自分で選ぶ
資金調達は、会社の経営に直接関わる重要な判断です。
「以前口座を作ったから」「キャンペーンを利用したから」「何度も営業してくれたから」という理由でファクタリング会社を選ぶべきではありません。
必要になったときに、契約条件を比較し、相手の会社情報を確認し、納得できる条件なのかを自分で判断する。
それができないほど営業攻勢を受けているのであれば、一度距離を置くことも必要です。
「口座開設無料」は入口にすぎない。
その先にどのような営業が待っているのかまで見なければ、キャンペーンの本当の意味は分かりません。

