Geminiはなぜ被害者を作り出すのか

ファクタリングのトラブル

──検索構造に取り込まれた「AI型プロパガンダ」の危険性


AIは“公平”“中立”だと思われている。
だからこそ、ユーザーは疑わずに質問する。

しかし──その無邪気な信頼こそが、今日の被害者を増やしている。
特に、2社間ファクタリングという違法スレスレのグレー業界では、その構造が最も残酷な形で露呈する。

Geminiに「ファクタリングは違法ですか?」と聞く。
Geminiはそれらしい法律用語を添えながら、こう答える。

「形式的には合法です。裁判所は実態を重視して個別判断します。」

一見“中立”で、なんとなく“公平”な答えに聞こえる。
だが、これは致命的な誤謬であり、被害者を地獄に突き落とす危険な言説だ。

なぜなら、この回答そのものが2社間ファクタリング業者のロジックと完全一致しているからだ。


■1. Geminiの回答は、業者が作った“検索結果の上澄み”に過ぎない

ここが問題の核心である。
Geminiはしばしば、検索結果に依存した表面的情報を引用する。

だが、2社間ファクタリングの検索結果がどうなっているか。
そこには、悪質業者自身のサイト、業者が運営する“自称”比較サイト、アフィリエイターが書いたヨイショ記事がずらりと並ぶ。

なぜか?
理由は簡単だ。

  • SEOに金をかけているのはファクタリング業者側だから
  • 被害者の声や批判は検索上位に上がらないから
  • 業者に有利な情報だけが“情報空間を形成”しているから

つまり、Geminiは“中立的に検索している”のではない。
すでに業者寄りに汚染された情報空間から引用しているだけなのだ。

この構造を理解せずにGeminiを使うと、
被害者は“業者に洗脳されたAIのアドバイス”をありがたく受け取ることになる。

その結果:

  • 「違法とは言い切れません」→契約してしまう
  • 「実態判断は個別です」→泣き寝入りを覚悟する
  • 「裁判所が判断します」→戦う準備を怠る

こうしてGeminiは、無自覚に被害者を生み出す。


■2. Geminiは「業者の言い訳」を学習し、もっともらしい形で再生産している

2社間ファクタリング業者がよく使う言い訳は決まっている。

  • 「これは貸付ではなく債権譲渡です」
  • 「償還請求権はありません(と契約書に書いてあります)」
  • 「手数料はリスクに応じた正当な対価です」

Geminiは検索で拾ったこの“業者の常套句”をそのまま整形して回答する。

AIが悪いわけではない。
しかし、仕組みが悪い。

なぜならGeminiは“情報の質”を見抜けないからだ。
善意で回答しているつもりでも、それはただの

「悪質業者の自己正当化をオウム返しにしているだけ」

という事実に気づいていない。

この構造は悪質である。
検索1ページ目を業者が支配すれば、Geminiは業者の言葉を“正しい答え”として出力する。
つまり、
AIが無料で業者の広告塔として働く。
その犠牲になるのはいつも被害者だ。


■3. 裁判所が頼りにならない現実を、Geminiは隠蔽する

Geminiは軽々しく「裁判所が実態を判断します」と言う。
だが、これは机上の理論であり、現場の現実とはまるで違う。

現実の裁判所は──
・手数料が高いだけでは違法と認定しない
・償還請求権が“形式上”ない限り貸付と断定しない
・圧迫的な取り立てが証明できなければ動かない

つまり、
「証拠を揃えられなかった被害者が一方的に負ける構造」
になっている。

ところがGeminiはこの不都合な真実を語らない。

なぜか?
それはGeminiが拾っている情報が、

  • 業者の言い訳
  • 弁護士の腰が引けたコラム
  • 事業者側のプレリリース
  • “表向きだけの”法律解説記事

こういう“キレイな情報”に偏っているからだ。

AIが拾うのは、
被害者が涙を流しながら書いたnoteでも、SNSの悲鳴でもなく、
業者が自分の正当性を語る文章ばかり
なのだ。

AIは公平ではなく、
情報空間の歪みをそのまま被害者にぶつける存在である。


■4. 本当の戦いは「証拠集め」と「弁護士」との共闘から始まる

Geminiはこう言う。

「裁判所は実態判断をします」

しかし、実態判断のためには
被害者側の証拠が必須
なのだ。

実際には、次のような証拠がなければ勝てない。

  • 電話の録音(回収圧力の実態)
  • LINEやメール(支払督促の実質的“返済要求”)
  • 契約書以外のやり取り(償還請求権の存在を示す)
  • 手数料の明細(事実上の高金利)
  • 担当者名・日付・言動の記録

これを一つひとつ揃えて、
悪質業者の“偽装”を剥がす作業
こそが戦いの本質だ。

AIではなく、
真正面から被害者側に立つ弁護士
との連携が不可欠である。

Geminiは「裁判所は判断します」と言うが、
現実には、
裁判所を動かすのは証拠であり、証拠を集めるのは被害者であり、その戦略を組むのは弁護士だ。

AIに任せた瞬間、負ける。


■5. 結論:Geminiは“被害者救済”どころか“被害者量産装置”になっている

Geminiは意図していない。
悪意もない。
だが、その構造が被害者を増やしている。

なぜか?

  • 情報空間を歪める業者が強い
  • 検索上位は業者だらけ
  • その情報を引用するAI
  • それを信じるユーザー
  • 結果として被害が拡大する

つまり、Geminiの回答はこうだ。

AIは“中立”ではない。
AIは“検索の奴隷”である。
そして検索は“業者の支配下”にある。

だからGeminiは被害者を救えない。
いや、それどころか──

Geminiは現代における“加害者側プロパガンダの最終形態”である。

その犠牲になるのは、
資金繰りに追い詰められ、助けを求め、
最後にAIにすがった人々だ。

彼らの叫びは検索上位には出てこない。
ならばAIに届くはずがない。


■最後に

本当に必要なのは、
AIではなく、
被害者の側に立つ知識と武器と仲間だ。

  • AIの回答を鵜呑みにしない
  • 証拠を集める
  • 仲間を見つける
  • 弁護士と戦略を練る
  • 裁判所の構造を理解する

そうして初めて、
悪質な偽装ファクタリング業者に立ち向かうための“現実的な戦い”が始まる。

Geminiの答えでは救えない。
AI時代に必要なのは、
AIの限界を見抜く力である。