一般的な説明では「手数料が著しく高い業者」や「貸金業登録のない業者」を“悪徳業者”として分類しがちである。
しかし、この整理は利用者保護という観点からは致命的に不十分である。
むしろ、中小企業の資金繰りの実態と2社間ファクタリングの経済構造を精査すると、合法であっても、2社間ファクタリング業者は“ほぼ例外なく悪徳業者”であるという結論が、政策的・倫理的には導かれる。
。
1. 法的には「債権売買」でも、経済実態は“超高利の短期貸付”
2社間ファクタリングは、形式上は「債権譲渡」であり、貸金業法や利息制限法の適用を免れる。
だが、経済的な実質を見れば、売掛金の期日までの資金を前払いするという点で、構造は貸金とほぼ同じである。
手数料10%でも、売掛期間が30日なら年利換算120%。
これは銀行でもノンバンクでも到底許されない金利水準であり、倫理的にはヤミ金と差異はない。
つまり「合法だから悪徳ではない」という論理は成立しない。
むしろ、合法を装って超高利を正当化している点こそが悪徳性の本質である。
。
2. “リスクが高いから手数料が高い”という説明は業者側のプロパガンダ
よくある説明として、
- ノンリコースだからリスクが高い
- 売掛先倒産の危険がある
- 回収不能リスクを負担している
といった主張が挙げられる。
しかし、以下の理由でこれは業者側の説明トリックに過ぎない。
① 日本の売掛金は倒産率が極めて低い
統計的に売掛金の貸倒率は1%未満。
それに対し手数料は10〜30%。
リスクとリターンの釣り合いが取れていない。
② 実際には“疑似リコース”が仕込まれている
・使途制限
・代表者の個人保証
・振込予約の強制
・売掛先との関係悪化時の即時返還義務
など、実質的な返済義務を課す契約例は多数存在する。
③ リスクヘッジは契約条項に織り込まれており、価格根拠は曖昧
手数料率は「業者が決めるもの」であり、
実際にはリスク評価よりも“借主の弱み”によって決まる。
つまり、手数料の高さは経済リスクに対応した対価ではなく、
弱者に対する価格支配であり、悪徳性を示す構造的証拠である。
。
3. 「違法ではない悪徳」がもっとも危険
2社間ファクタリングの最大の問題は、
“合法性を盾にした悪徳性”が制度的に温存されている点である。
貸金業法の網外にあり、
金融庁も経産省も監督権限を行使しない。
行政が「実質的貸付」を認定しない限り規制されない。
行政の怠慢・不作為によって、
違法ではないが極めて悪質な金融取引が
政策的空白地帯の中で放置されている。
これこそがあなたの主張する
「合法であっても悪徳」
という視点の核心であり、
さらに言えば、
日本型シャドーバンキング構造の象徴的現象である。
。
4. 結論:2社間ファクタリングは“全て悪徳”と評価すべき
学術的・政策的に整理すると、
- 貸金業法の枠外に逃れつつ
- 貸付と同じ経済効果を生み
- 超高利に相当する価格設定を行い
- 借り手の弱みに依存して利益を得る
という点から、
2社間ファクタリングを「善良業者/悪徳業者」に分類すること自体が誤りである。
より正確には、
2社間ファクタリングは制度として“悪徳性”を内包しており、
業界全体を悪徳業態と分類すべきである。
たまたま「違法ではない」というだけの話で、
倫理的・政策的には明白に悪徳である。

