半年で見えた現実──合法ヤミ金はこうして肥大化していく

不存在債権は「詐欺か?」「不当原因給付か?」

■ サイト公開から半年──見えてきた深刻な乖離

サイトを公開して半年が経過した。2社間ファクタリングという“合法ヤミ金”の問題性を、できるだけ感情論ではなく制度的な観点から伝えてきたつもりだ。しかし実感として見えてきたのは、暗い現実だ。業者の数は確実に増え続けているのに、利用者側の問題意識は一向に広がらない。

検索結果を見れば一目瞭然である。「資金繰りに困ったら即日」「審査なし」「売掛金を現金化」といった甘い言葉は増殖し続けている。それに対して、リスクを指摘する啓発コンテンツはごく一部にとどまっている。つまり、合法ヤミ金の供給側だけでなく、需要側が作り出す「市場の温度」が下がらないままなのだ。

■ 需要がある限り、合法ヤミ金は増殖する

厳しいが、ここを直視しなければならない。合法ヤミ金を儲けさせているのは制度でも業者でもなく、最終的には「利用者」である。

「銀行が貸してくれないから」
「今だけ助かればいい」
「後は売掛金で何とかなる」

──この心理が温床である。

業者は需要を見て参入する。採算が取れる見込みがあるから増える。つまり“儲かるから増える”。そして儲かる構造を作っているのは、無理なスピードでの資金調達を求める利用者側の行動そのものだ。ここを見ない議論は、本質に届かない。

■ 啓発はまだ「点」──市場は「面」で広がっている

半年間情報発信を続けてみて痛感するのは、啓発がまだ「点」であるという事実だ。

・体験談はほとんど表に出ない
・失敗事例は共有されにくい
・トラブルは水面下で処理されがち

それに対し、宣伝は「面」で広がる。広告、まとめサイト、ランキング、比較記事──その中に紛れ込む2社間ファクタリングは、合法という衣を着たまま“日常的な選択肢”として扱われる。

危険性は認識されにくく、「便利な資金調達手段」という誤認だけが独り歩きする。半年間の傾向として、この乖離はむしろ拡大していると感じている。

■ だからこそ、今やめよう

ここまで書いても、使う人は使うだろう。追い込まれた経営者に理屈は届きにくい。それでも、あえて書く。

だから今も、やめよう。

合法ヤミ金に頼るという行動は、一時しのぎでは終わらない。業者を儲けさせ、市場を肥大化させ、次の被害者候補を増やす“投票行動”でもある。自分一人の選択が、自分一人だけの問題で終わらない。その現実を知ってほしい。

半年間、啓発を続けて見えてきたのは希望ではなく「課題の大きさ」だった。だからこそ、書くことをやめる理由にはならない。問題意識が広がらない現状そのものが、書き続ける理由になる。