前編では、AIが使う「合法」「国も推奨」「注意すればOK」という言葉の危険性を見てきた。
後編では、もう一歩踏み込みたい。
なぜ、ここまで同じトーンの回答が量産されるのか。
なぜ、メディアもAIも、2社間ファクタリングに甘いのか。
メディアとAIが共有する「前提」
AIの学習元を辿れば、答えは明確だ。
検索上位の記事。
企業サイトの解説。
比較メディアのランキング。
そこに並ぶのは、「便利な資金調達」「即日対応」「中小企業の味方」といった表現ばかりである。
否定的な論考は、そもそも数が少ない。
あっても「悪徳業者に注意」というレベルで止まる。
AIは、それを平均化して出力する。
結果として、業界が作った安全神話を、そのまま再生産する装置になる。
「自己責任」で終わらせる言説の楽さ
AIもメディアも、最終的には同じ着地をする。
注意すれば使える。
契約内容を確認しよう。
自己責任で判断しよう。
この結論は、極めて楽だ。
制度を疑わなくて済む。
社会構造を問わなくて済む。
責任の所在を曖昧にできる。
しかし、現実には、合理的な経営判断ができる余裕がない企業ほど、2社間ファクタリングに吸い寄せられていく。
そこで起きているのは、判断ミスではない。
選択肢が奪われた末の必然である。
合法ヤミ金という言葉が消えない理由
「合法ヤミ金」という言葉は、過激に見える。
しかし、ここまで見てきた構造を踏まえれば、この言葉が自然に生まれる理由は明白だ。
違法ではない。
だが、依存を生む。
合法だが、持続可能性を破壊する。
これは、違法性ではなく、社会的有害性の問題である。
AIがそこを語らない以上、人間が語り続けるしかない。
総集編結論──AIに聞いても、救われない理由
Geminiに何度聞いても、返ってくる答えは「正しい」。
だが、その正しさは、事業を守る正しさではない。
2社間ファクタリングを巡る問題は、注意喚起や見分け方では解決しない。
この仕組みを、社会としてどう扱うのか。
そこに踏み込まない限り、AIの回答は、被害の拡大を静かに後押しし続ける。
だからこそ、この「Geminiに聞いてみた」シリーズは続く。
AIが語らないことを、言葉にするために。

