なぜ2社間ファクタリングは「1回」で終わらないのか
まず最初に、かなり大事な現実をはっきり言います。
2社間ファクタリングを一度使った人の多くは、2回目、3回目に進みます。
それどころか、5回、6回と常用化してしまう人も、決して珍しくありません。
これは意志が弱いからでも、学習能力が低いからでもありません。
構造上、そうならざるを得ない仕組みになっているからです。
一度使うと、売掛金が先食いされます。
その結果、翌月に入ってくるはずだった現金が減ります。
現金が減ると、また資金繰りが詰まります。
詰まった結果、「もう一回だけ」が発動します。
このループは、精神論では止まりません。
仕組みごと断ち切らない限り、ほぼ確実に回り続けます。
「一回だけで終わらせるつもりだった」が通用しない理由
実際に一度使った人の多くが、まったく同じことを言います。
「今回は本当に一回だけのつもりだった」
「次の入金で全部立て直す予定だった」
「来月から売上が戻るはずだった」
でも、現実はほぼその通りになりません。
なぜなら、2社間ファクタリングを使う段階の会社は、すでに“余白”がない状態だからです。
本来ならバッファになるはずだった売掛金を、すでに削っています。
そこに高い手数料という追加ダメージが乗ります。
しかも、入金タイミングは前倒しになっているだけで、総額が増えているわけではありません。
つまり、「一回使ったら楽になる」という前提そのものが、最初から成り立っていないのです。
二度目に進む人が必ずハマる思考パターン
一度使った人が二度目に進む直前、ほぼ例外なく出てくる思考があります。
「もうここまで来たんだから、今さら止めても意味がない」
「どうせ今月も厳しいし、条件が分かってる業者の方が楽だ」
「次で本当に終わらせるから、今回は目をつぶろう」
この思考、かなり危険です。
ここで人は,すでに払った手数料を「取り返したい」という心理に引きずられます。
いわゆるサンクコストの罠です。
でも、過去に払った金は何をしても戻ってきません。
ここで合理的に切るべきなのは、「一回使ってしまった事実」そのものです。
それを認められない限り、二回目はほぼ確定します。
二度目を防ぐために、まず最初にやるべき一つのこと
ここからが本題です。
もしあなたが、すでに一度2社間ファクタリングを使ってしまっているなら、最初にやるべきことはたった一つです。
「次の3か月分の資金繰り表を、ファクタリング抜きで作る」ことです。
希望的観測は一切入れません。
売上は最低ラインで見積もります。
支払いは、実際に来るものを全部入れます。
そのうえで、「このまま行くと、いつ、いくら足りなくなるか」を可視化します。
これをやらずに「なんとかなる気がする」で動くと、ほぼ100%、二度目に進みます。
逆に言うと、これを一回ちゃんと作るだけで、「二度目に進むしかない人」と「ギリギリ踏みとどまれる人」がはっきり分かれます。
「また使う」前に、絶対に潰しておくべき3つの逃げ道
二度目を防ぐには、物理的に「使えない状況」を先に作ってしまう方が早いです。
まず、前回使った業者の営業担当の連絡先を、スマホから消してください。
ブロックでも構いません。
これは幼稚な話ではなく、本気で効きます。
追い込まれたとき、人は一番楽な連絡先に指を伸ばします。
次に、比較サイトのブックマークや履歴を全部消してください。
検索履歴も消した方がいいです。
これもバカにできません。
「またあそこから申し込めばいいや」という思考回路そのものを遮断する意味があります。
そして最後に、誰か一人だけでいいので、「もう二度と使わない」と宣言してください。
家族でも、従業員でも、税理士でも構いません。
これをやるだけで、「内緒でもう一回」が物理的にやりづらくなります。
5回6回と使う人が量産される本当の理由
ここが一番、知っておいてほしい部分です。
5回、6回と常用化してしまう人は、最初から依存体質だったわけではありません。
一回目のあと、「まだ何とかなる」と思えるだけの小さな成功体験をしてしまっているのです。
一回目で給料を払えた。
一回目で取引先に切られずに済んだ。
一回目でとりあえず倒産は回避できた。
この「一回助かった」という体験が、二回目、三回目の心理的ハードルを一気に下げます。
でも、その裏で、会社の体力は確実に削られています。
そして気づいたときには、「もうファクタリングなしでは回らない会社」に変わってしまっている。
この段階に入ると、止めるのは本当にきつくなります。
だからこそ、止めるなら一回目の直後が、ほぼ最後のチャンスです。
二度目を防げた人に共通する、かなり地味な行動
実務を見ていると、二度目を防げた人には、かなりはっきりした共通点があります。
派手な一手を打っていません。
劇的な売上回復も起きていません。
借り換えで一発逆転、みたいな話もありません。
その代わり、全員がやっているのはこの三つです。
支払いを止める順番を現実ベースで組み替えたこと。
取引先に頭を下げて支払いサイトを延ばしたこと。
そして、生活費や役員報酬を一時的に本気で削ったこと。
どれも地味で、正直ダサいです。
でも、これをやった人だけが、二度目に進まずに済んでいます。
結論:二度目を止められた人だけが、まだ土俵に残れる
最後に、かなり厳しいことを言います。
2社間ファクタリングを一度使ってしまった時点で、あなたの会社はすでに「相当不利な土俵」に立たされています。
でも、まだゲームオーバーではありません。
本当に詰むのは、二度目に進んだ瞬間です。
二度目に進んだ人の多くは、そのまま三度目、四度目に入ります。
そして、その途中で資金繰りの主導権を完全に失います。
逆に言うと、二度目を止められた人だけが、まだ立て直しの選択肢が残っています。
派手な解決策は要りません。
地味で、しんどくて、プライドが削れる行動を、いくつか積むだけです。
もし今、「また使うしかないかも」と思い始めているなら、それはもう黄色信号じゃなく赤信号です。
今この瞬間に、次の申込フォームを閉じてください。
そして、資金繰り表を一枚だけ作ってください。
その一枚が、5回目、6回目に進むルートから、かろうじて降りる最後の踏切になります。

