ファクタリング被害者の救済について

ファクタリングの違法性と契約について

ファクタリングという言葉がビジネスの現場で耳にされるようになって久しいですが、その本質やリスクを正確に理解している人は決して多くありません。特に中小企業や個人事業主にとって、資金繰りの手段として手軽に見えるファクタリングですが、実際にはその裏に潜む違法性や搾取構造に気づかないまま、深刻な被害を受ける例が後を絶ちません。

まず確認すべきは、「ファクタリング」とは名ばかりで、実態は高金利の貸付であるケースが少なくないという事実です。債権譲渡契約という形式をとりながら、譲渡した売掛金の回収が譲渡人の責任とされていたり、手数料が20〜30%にも及ぶような取引は、民法や貸金業法、出資法に抵触する恐れがあると指摘されています。特に、償還請求権付きの2社間ファクタリングは、実質的に借金と変わらない構造でありながら、貸金業登録を受けずに営業している事業者が存在します。

このような違法ファクタリングに巻き込まれた事業者は、資金繰りの悪化に拍車をかけ、倒産や自己破産に追い込まれるリスクを抱えることになります。一方で、こうした取引の違法性を盾に立ち向かおうとしても、一般の弁護士では対応が難しいケースが多く、被害者が泣き寝入りしてしまう現実があります。なぜなら、ファクタリングという形態は契約書上「売買」となっており、貸金としての違法性を問うには、その実態にまで踏み込んだ精緻な法的分析と主張立証が必要だからです。

しかし、希望がないわけではありません。近年では、ファクタリング取引の実態を精査し、違法な貸付としての性質を見抜き、適切な対応を講じることができる弁護士が少数ながら現れてきています。こうした弁護士は、商取引法や金融規制法に精通しており、ファクタリング契約が出資法違反や貸金業法違反に該当することを法的に構成するノウハウを持っています。

また、司法の現場においても少しずつ変化が見られます。例えば、過去には債権譲渡契約とされていた取引について、実質的には貸付に該当するとして、貸金業法違反が認定された事例も存在します。このような判例の積み重ねが、今後のファクタリング被害の救済にとって大きな支えとなるでしょう。

被害者がとるべき第一の行動は、契約書を含むすべてのやり取りを整理し、専門家に相談することです。相手方の会社情報、契約条件、手数料の割合、債権譲渡の形式、回収責任の所在など、契約内容の詳細を把握することが、違法性を立証するうえで不可欠です。そのうえで、ファクタリング取引に詳しい弁護士の支援を受けることで、契約の無効確認や損害賠償請求、さらには過払い金の返還請求といった対応が可能になります。

もちろん、こうした訴訟には時間と労力がかかりますし、判決が出るまでに経済的に持ちこたえる必要もあります。そのため、国や自治体による中小企業支援制度や法律扶助制度を活用することも重要な選択肢となります。資金面での援助が受けられる場合もあり、弁護士費用の負担を軽減できる可能性があります。

また、業界全体としても、ファクタリングに関するルール整備が求められています。現在、ファクタリング業は法的に明確なライセンス制度が存在せず、無登録業者が自由に営業できてしまう状況にあります。これに対して、貸金業法と同様に登録制を導入し、手数料率の上限設定や情報開示義務などを課すことで、適正な取引環境を整備する必要があります。

最後に、被害者が声を上げることが、同様の被害を未然に防ぐためにも極めて重要です。違法ファクタリングの実態を告発することは、個人の利益回復にとどまらず、社会的な問題提起となり、制度改善の後押しにもなります。恐れや遠慮は不要です。自らの経験を共有することが、未来の被害者を救う力になります。

ファクタリングという制度そのものが違法ではありませんが、その運用において違法な搾取が行われている現実を直視し、法の力で是正していくことが、被害者救済への第一歩です。そして、その歩みを支えるのは、法律の専門家である弁護士と、勇気をもって行動する被害者自身です。