―実態はヤミ金、破綻した論理の上に成り立つ2社間取引
審査で落ちるのは「売掛先のせい」ではない?
ファクタリングは、売掛債権を譲渡して資金を得る取引です。建前としては、貸金とは異なり「資金を借りる」のではなく「保有している売掛金を現金化する」スキームとされています。したがって、審査において重視されるべきは、売掛債権の支払元である「第三債務者(取引先)」の信用力であるはずです。
ところが、現実にはファクタリング会社から求められる書類はまるで「融資」のような内容です。
・申込企業自身の決算書
・代表者の身分証明書
・通帳の入出金履歴
・税金・社会保険の納付状況
さらに、直近の売上や資金繰り表の提示を求められ、少しでも赤字や延滞があれば「審査に通りません」と断られるケースもあります。果たしてこれは、本当に「債権買取」の審査なのでしょうか。
なぜ売掛債権の信用を審査しないのか?
本来、ファクタリングは「売掛債権」を商品として買い取る取引です。
つまり、審査の焦点は「その売掛金が期日までに確実に入金されるかどうか」であり、申込企業の経営状況は本来関係がありません。
ところが、2社間ファクタリングでは、売掛先(第三債務者)への通知を行わず、回収も申込企業自身が行うというスキームが一般的です。つまり、実際のところは「売掛金を担保に、融資をしている」ようなものであり、ファクタリング業者のリスクは回収不能に直結します。
そのため、申込企業自身の資金繰り能力・財務健全性が強く問われる構造になってしまい、「決算書を出せ」「通帳を見せろ」という話になるのです。
これは言い換えれば、「ファクタリング」の形式を装った「高利の貸付」であり、実態はほぼ完全に“ヤミ金”と同じ性質を持っているといえます。
「審査落ち」の本質的な理由とは?
ファクタリングで審査に落ちるケースには、いくつか典型パターンがあります。
① 赤字・債務超過でキャッシュフローに不安がある
ファクタリング業者は、売掛債権の支払いを「自社で回収せず、申込者が返済する」ことを前提としています。
そのため、企業の経営状況が不安定だと、「貸し倒れリスクが高い」として審査に通りにくくなります。
② 売掛先の与信力が不足している
一応は形式上、売掛先の信用もチェックされます。
売掛先が小規模事業者や個人、設立間もない会社などの場合、「そもそも売掛金が入金されない可能性がある」として否認されます。
ただし、これはあくまで“表面上の理由”です。
③ 取引実態が確認できない
請求書や契約書の提示を求められ、「継続的な取引があること」が証明できないと審査に落ちます。
これは表面上「債権の真正性」を確認しているように見えますが、実際は「確実に回収できる請求かどうか」を測る貸金審査的な要素です。
④ すでに複数のファクタリングを利用している
複数の業者からの資金調達が判明すると、「返済原資が不足するリスクが高い」として審査否認されます。
これも完全に貸金の論理です。
「手数料」の実態は“利息”そのもの
2社間ファクタリングでは、手数料として10〜30%程度が差し引かれます。1か月の取引で30%ということは、年利換算で300%以上になることもあります。
この「手数料」は形式上、債権のディスカウント(値引き)として処理されますが、実際は「短期で元本+利息を回収する」性質を持つため、まさに“利息”に該当する性格のものです。
にもかかわらず、貸金業登録もせず、利息制限法・出資法の規制も受けず、あたかも合法であるかのように営業している現状は、極めて異常です。
審査の厳格化はファクタリングの否定である
本来、ファクタリングとは「債権の譲渡による資金化」である以上、売掛先の信用さえあれば、申込者の経営状態が多少悪くても問題ないはずです。
にもかかわらず、現行の2社間ファクタリング業者が重視しているのは、あくまで「返済できるかどうか」という一点のみです。
つまり、業者自身がすでに「ファクタリングではなく貸金である」と理解しており、それを前提とした審査体制を取っているという矛盾が存在します。
審査に通らないのは、売掛債権が買えないからではなく、「あなたにお金を貸すと焦げ付きそうだから」というだけなのです。
結論:審査に落ちる理由は“ヤミ金である証拠”
決算書を求められる。通帳を見せろと言われる。保証人を要求される。
そして「審査に通りません」と断られる。
これらすべては、ファクタリングという名前を使いながら、実態は高利貸しであることの裏返しです。
売掛債権の信用ではなく、返済能力を見て審査する以上、それはもはや「融資」です。
そして無登録・無規制で高利を取っているのであれば、それはヤミ金にほかなりません。
“審査に落ちた”という経験は、「ファクタリング会社が本当にやっていることは何か?」を見抜くヒントでもあります。
形式ではなく実態を見ること。これは利用者にとっても、そして行政にとっても、避けてはならない課題です。

