“違法業者もいるけどウチは安心”――その論理はどこまで通用するのか
ある2社間ファクタリング業者が、自社ブログで盛んに訴えている。
ファクタリングはやばい?理由や相談先を紹介…
…正しく学んだ上での取引が、何よりも重要です。
…悪質な業者に注意し、安全な優良業者を選びましょう。
……まるで「正義の味方」ぶっているかのようだが、実際にはそこに書かれた内容こそ、自らの責任を覆い隠すための自己保身に満ちている。2社間ファクタリングが抱える本質的欠陥に触れず、ただひたすら「安全な選び方」のテクニック論を語る構図は、よく練られたガスライティングとも言うべき説得術だ。
「ファクタリングはやばくない」と言った直後に「やばいやつもいる」
彼らの主張はこうだ。
- 「ファクタリング自体は合法で有効な資金調達手段です」
- 「ただし一部に悪質業者がいる。それが“やばい”と言われる所以」
- 「だから業者を慎重に選べば大丈夫!」
だが、業者というものは、自分が“善良”であることをまず宣言するものだ。
実際にユーザーが騙されるケースの記録を見ると、その裏には似たような“善人ぶりの誇示”と責任回避の論理があり、その結果、被害は後を絶たない。
構造を暴くとこうだ:
- 「悪いのは他の業者」
→そう言えば、あなた自身も「異常に高い手数料」や「曖昧な契約」を平然と説明していないか? - 「手数料体系は個別設定で違法ではない」
→だが実際には、法定利息を遥かに超える30~40%もの手数料が横行しており、形式は債権譲渡でも実質は高利貸とあまり変わらない現実がある。
これは、「木を隠すなら森の中」と同じ現象だ。自社の欠陥を認めずに済ませているだけであり、“優良業者”のフリをして被害者意識を誘導しているだけにすぎない。
■高利貸しそのものを「仕組みの特性」にすり替える欺瞞
ブログではこう説明されている。
「手数料は貸金業法の規制を受けません。ファクタリングは債権譲渡なので、上限金利がないのです」
だが、この説明は極めて巧妙なすり替えだ。
“仕組み上違法ではない”ということを根拠に高額手数料を正当化し、
「手数料が高いのは当然」「リスクが高いから仕方ない」と利用者に納得させる構図である。
つまり、「30%の一括引き」であれ「分割で支払え」という契約だとしても、
それは本質的に高利貸しの形を“債権買取”で偽装しているに等しい。
司法でも実質貸金と認定される裁判例が多数あり、
「形式ではなく実態」で判断されるという原則が既に確立している。
法制度の抜け穴を突いて利益を得る行為を極端に正当化する構えは、
「ダークパターン」そのものと呼ぶほかない。
■ノンリコース契約の免罪符? 買戻し強制は違法の温床
本ブログでは“ノンリコース契約”を安心材料として掲げているが、
実際には契約内容に「回収不能の場合は買戻し義務を負う」条項が含まれているケースが多い。
実態としてそれは、ノンリコースでなく、明らかに実質融資だ。
債権譲渡ではなく、「債権を担保にした貸付」を装った偽装契約にほかならない。
しかもこの手の契約は、利用者が金利や遅延損害金を支払えなくなった場合、
夜間・家族への取り立て・売掛先への通知など、
貸金業法で禁止された“取り立て行為”まで行われやすい構造を持つ。
まるで「レンタル彼氏」という言葉の下、実質的に恋愛関係が強制される構造につながる危険極まりない“束縛契約”そのものだ。
■相談窓口紹介はポーズに過ぎない
ブログは最後に、金融庁や弁護士、法テラスへの相談を薦める。
その姿勢だけを見ると親切に思えるが、実は本質的な構造的問題を覆い隠すミラーリングに過ぎない。
ファクタリングは「金融庁の管轄外」という現実がある。
しかも、現に多くの弁護士も「これは貸金と認定されかねない」と口を揃えて警鐘を鳴らしている。
それにも関わらず、
「相談してください。救えるかもしれませんよ」という言葉でページを締める構成は、
もはや“保険”ではなく“逃げ道作り”に過ぎない。
■「上場企業グループだから安心」は真実か?
この業者は自社のシール・ブランディングとして、
「ヤマトグループ傘下である」「安心・信頼のブランド提供」と宣伝している。
だが、グループ傘下であるからといって、実質契約内容や債権の実態に責任を負うとは限らない。
多くの企業グループでは、ノンリコース・資本非連結であり、
問題が起きた場合に“尻尾切り”で済ませられるケースが多く存在する。
重要なのは、グループ名ではなく、契約条項・審査体制・支払い保障である。
「グループ名=安心」と短絡してはいけない理由がここにある。
■結語:もう隠れ蓑は使えない
2社間ファクタリングの「安全ガイド」的な記事は飾り文句に満ち、利用者を安心させる構成を取っている。
だがその実態は――
- 「形式論」による責任回避
- 「高額手数料」の巧妙な正当化
- 「偽装ノンリコース契約」の見せかけ
- 「相談窓口紹介」による逃げ道づくり
- 「ブランド力」による権威付け
……といった欺瞞に満ち、**信頼という皮をかぶった“金融の地雷原”**だ。
制度の抜け孔を利用した不当利得の構造に、
誰もが容易に騙されるよう、
“安心”という言葉だけ巧妙に撒き散らされている。
「正しく学び、正しく選べば安全」。
この言葉の裏で、合法と偽装の境界線を曖昧にし、利用者の判断力を奪う罠が仕掛けられている。
今こそ、こうした“善人ヅラの業者”に強い視線を注ぎ、自らの契約内容を疑う勇気を取り戻さなければならない。

