二社間ファクタリングは「合法ヤミ金」か──脱法金融の正体を暴く

ファクタリングのトラブル

ここ数年、資金繰りに困った事業者をターゲットにした二社間ファクタリングが急増している。
その実態は“債権売買”を装った合法ヤミ金であり、形式上の契約で貸金業法や利息制限法の網をすり抜ける脱法金融の温床となっている。

今回、とある弁護士事務所がこの業界構造に真正面からメスを入れ、提訴に踏み切った。これは稀に見る健全な動きだが、それ以上にこの業界の黒さを証明している。


返済義務がある時点で“ファクタリング”じゃない

本来のファクタリングは、債権を売却し代金を受け取った時点で取引終了だ。
返済義務も延滞金も存在しない。それなのに二社間では「返済期日」「延滞金」「損害賠償」という単語が契約書に並ぶ。これは明らかに金銭消費貸借契約と同じ構造であり、ただの貸付にすぎない。

つまり、名前を「ファクタリング」と言い換えたことで、貸金業登録や金利規制を回避しているだけ。これを脱法金融と呼ばずして何と呼ぶのか。


年利300%超──完全にヤミ金レベル

割引率10%だの20%だのと言われると、一見お得そうに見える。しかし、実際には数か月での返済を前提にしており、年率換算すると軽く100%を超える。
今回の事例ではなんと年利304%。数字だけ見れば、街金どころか完全にヤミ金水準だ。
法律上の上限は109.5%。この3倍近い金利を取っておきながら「合法です」と胸を張る神経こそ、この業界の異常さだ。


「即日入金」「審査なし」は魅力ではなく罠

広告に並ぶのは「即日現金化」「ブラックOK」「柔軟対応」の甘い響き。しかし、その裏にあるのは、貸金業なら絶対に許されない無審査・高金利の資金提供だ。
資金難で冷静さを欠いた事業者が飛びつく心理を熟知し、あえて金融庁の監督外で金を回す。この構造こそ合法ヤミ金の本質だ。


弁護士が提訴に動いた意味

今回、ある弁護士が二社間ファクタリングを実質的な高利貸しと認定し、提訴に踏み切った。
これがもし裁判で認められれば、「二社間=ファクタリング」という業界の常套句は崩れ去り、脱法金融業者が堂々と営業できる時代は終わるかもしれない。

しかし、この流れが一過性で終われば、業者はまた看板と契約書の文言を変えて生き延びるだろう。結局のところ、制度を守る側の監視と利用者側の警戒心、この両輪がなければ淘汰は進まない。


利用者への警告:契約書に“返済”の文字があれば即撤退

見た目がどうであれ、契約書や説明文に「返済」「延滞」「損害賠償」という単語があれば、それはほぼ間違いなく合法を装った貸付だ。
形式がどうであれ、実質が貸金なら利息制限法や貸金業法の対象になる。そして年利100%超の契約は違法なヤミ金行為に該当する可能性が高い。


まとめ:合法ヤミ金に未来はない

二社間ファクタリングの多くは、法律の穴を突いて高利資金を回すだけの脱法金融だ。
それを「資金繰り改善」「即日資金化」という美辞麗句で包装し、利用者を借金漬けにする構造は、ヤミ金と何ら変わらない。

今回の弁護士の動きは、この腐敗した業界への第一撃だ。だが、本当の終わりは、私たち一人ひとりがこの仕組みを見抜き、「その手には乗らない」と決めたときにしか訪れない。

“合法”という仮面を剥ぎ取れば、そこに残るのはただのヤミ金。名前がどうであれ、やっていることは同じだ。