合法”を名乗るヤミ金――2社間ファクタリングの危険な実態

ファクタリングの違法性と契約について

「最短即日で資金調達」「審査なし」「赤字でもOK」――。
そんなキャッチコピーが並ぶ広告を見たことはないだろうか。
その多くが、**“2社間ファクタリング”**と呼ばれるサービスだ。

一見すると、困っている中小企業や個人事業主の味方のように見える。
だがその実態は、**法のスキマを突いた“合法ヤミ金”**に他ならない。


■ 「融資ではない」――巧妙な言葉のトリック

2社間ファクタリングの業者は、口を揃えて言う。
「うちは融資ではありません。あなたの売掛金を買い取るだけです」

確かに、形式上は「債権の売買」だ。
つまり、貸金業法の規制を受けず、金融庁の監督も及ばない。

だが、実態を見れば違う。
手数料と称して、売掛金の30〜50%が差し引かれ、入金を管理される。
さらに、取引先の支払いが遅れた途端、全額の「返還」を求められるケースもある。

これではもはや「融資」と何も変わらない。
しかも、利息制限法の上限(年15〜20%)を大幅に超える“超高利”だ。


■ 法の空白地帯に生まれた「脱法金融」

2社間ファクタリングの最大の問題は、法的な監督が存在しないことだ。
貸金業ではないため、金融庁への登録も不要。
手数料の上限も定められていない。

その結果、

  • 実質年利換算で400〜600%に及ぶ取引
  • 脅迫まがいの督促
  • 契約内容の不透明さ
    といった被害が、全国で急増している。

しかも業者は、「うちはファクタリング業者。融資じゃない」と言い逃れる。
現行法のグレーゾーンを意図的に利用しているのだ。


■ 善意の経営者が狙われる理由

被害に遭うのは、必ずしも経営の杜撰な企業ではない。
むしろ、誠実で責任感の強い経営者ほど狙われる。

「従業員の給料を守りたい」
「税金や仕入れの支払いを遅らせたくない」

そうした“まじめな危機対応”につけ込んで、業者は近寄ってくる。
「銀行融資は時間がかかるでしょう?」「うちはすぐ入金できますよ」――。

そして一度契約すれば、抜け出せなくなる。
次の資金を得るために、さらに別のファクタリング契約を重ねる。
結果、雪だるま式の債務構造ができあがる。


■ 「回収代行」という名の取り立て

契約後、業者の態度は一変する。
「入金日を守れ」「遅れたら取引先に直接請求する」
「支払わないなら裁判を起こす」

このような強圧的な取り立てが横行している。
中には、取引先に直接電話し「この会社は売掛金を譲渡した」と通知する悪質例もある。

これは、商取引上の信用を失わせる実質的な営業妨害であり、もはや金融犯罪に近い。
だが、法の網がかかりにくい現状では、行政処分も立件も進まない。


■ 見分けるポイントと対策

被害を防ぐには、最初の段階で見抜くことが何より大切だ。
次のような広告文句が並ぶ場合は、要注意である。

  • 「審査なし」「即日」「税金滞納でもOK」
  • 「2社間」「手数料30%〜」
  • 「銀行より早くて安心」

これらはすべて、“金融ではない”と主張するための伏線だ。


■ 困ったときに取るべき行動

もし契約をしてしまった場合でも、諦めてはいけない。
以下のような対応を早めに取ることで、被害を軽減できる。

  1. 契約書・振込明細・領収書をすべて保管
     → 法的交渉の証拠になる。
  2. 弁護士または司法書士に相談
     → 実質的な“貸付”と認定されれば、過払い請求が可能。
  3. 過剰な取立ては警察へ
     → ファクタリングでも「脅迫」や「恐喝」は犯罪である。
  4. 行政機関にも情報提供
     → 消費生活センター・金融庁への通報で再発防止につながる。

■ 「合法だから安全」ではない

2社間ファクタリングは、確かに今の法律では“形式上は合法”だ。
しかし、その実態は融資と何ら変わらない高利貸しである。

「法律に触れていないから安心」という考え方こそが、最大の落とし穴だ。
法の網の目をすり抜ける業者に、あなたの会社の未来を預けてはいけない。


■ 結論――“即日資金”の代償は、あなたの事業そのもの

資金繰りに困ったとき、誰でも焦る。
だが、「早い」「審査なし」「安心」ほど危険な言葉はない。

一時の資金を得ても、長期的には経営を圧迫し、信用を失う。
2社間ファクタリングは、救済のように見えて、実は出口のない沼なのだ。

本当に企業を守るのは、“安易に借りない”という冷静な判断である。
あなたの会社を食い物にする者たちから、今こそ自分自身を守ってほしい。