「無料相談の甘い罠」
私の名前は橋本詩織です。29歳、フリーランスのウェブデザイナーとして独立して3年目です。会社員時代より収入は増えましたが、入金は月末締め翌月払いです。デザイナーに発注する外注費も自分で立て替える必要があり、手元資金は常にギリギリでした。毎月、請求書を整理し、入金予定を確認しながら、どうやって資金を回すかを計算する日々。心の余裕はほとんどありませんでした。
ある日、Twitterで「請求書を即日現金化!審査簡単、上場企業運営」という広告を見つけました。無料相談もできると書かれており、「これならすぐに資金が確保できるかも」と思い、軽い気持ちでクリックしました。便利そうに見えたのです。
しかし、フォームに入力する作業は思った以上に手間がかかりました。免許証の写真、請求書、取引先とのメールなど、細かい情報をすべて揃え、提出するまでに丸二日かかりました。やっと入金されると、金額は30万円から80万円の範囲で、手数料は30%でした。手元資金は確かに増えましたが、利息を計算してみると、実効金利は明らかにヤミ金レベルでした。最初は「手数料は高いけど急ぎだから仕方ない」と思いましたが、2回目、3回目と繰り返すうちに、資金はあっという間に回らなくなりました。
さらに悪夢は続きます。提出した請求書や取引先情報は、広告代理店や別の業者に流れていたようで、知らない番号やメールからの営業連絡が絶え間なく届くようになりました。無料相談の名目で情報を吸い上げられ、気づけば自分の資金だけでなく、個人情報までもが搾取されていたのです。新しい資金を確保するために同じサービスを利用しようとしましたが、手数料と実効金利の高さに、さらに返済が追いつかない状況に陥りました。
精神的にも追い詰められました。夜も眠れず、頭の中は資金繰りのことでいっぱい。目の前の案件も集中できず、簡単なデザイン作業でさえ手が止まることが増えました。広告や体験談はどれも「便利」「安心」としか書かれておらず、警戒心を削ぐ内容ばかり。自分が悪いとは思いつつも、罠に落ちてしまったことを痛感しました。
結局、私は複数回利用したことで、資金が回らず、外注費の支払いも滞り、取引先との信用も失いました。入金が遅れたことを説明するたびに心が疲れ、やっとの思いで回収した資金もすぐに手数料として差し引かれ、精神的にも金銭的にも追い詰められました。便利そうに見えるサービスの裏には、ヤミ金レベルの負担と情報搾取の構造が潜んでいることを、身をもって知りました。
今はもう二度とそのようなサービスは利用していません。同じ立場のフリーランスや小規模事業者には、どれほど便利そうに見えても、裏に潜むリスクを必ず確認してから手を出してほしいと思います。私の経験が、誰かの警鐘になればと願っています。

