「仲介サイトの甘い誘いに落ちた日」
私の名前は柴崎洋介です。35歳、都内で小さな建設資材の卸売業を営んでいます。仕事は順調でしたが、下請け工事の入金はほぼ2か月後。現金での支払いが多いため、材料費や人件費の支払いを前倒しで処理する必要があり、常に手元資金のやりくりに追われていました。
ある日、検索中に仲介サイトの広告が目に入りました。「請求書を現金化!審査簡単・上場企業提携」と書かれていました。サイトはきれいで安心感があり、体験談も豊富。初めは情報収集のつもりでアクセスしましたが、気づけば無料相談フォームを埋め、免許証や請求書、取引先とのメールまで提出していました。提出に丸二日かかり、正直疲れましたが、「すぐに資金が手に入る」と思っていました。
翌日、入金がありました。金額は50万円ほどで、手数料は30%でした。「急ぎだし仕方ない」と思ったのですが、利息計算をしてみると、実効金利はヤミ金レベルでした。最初は一度きりのつもりでしたが、資金が足りず、2回目、3回目と繰り返すうちに、手元資金はすぐに回らなくなり、返済に追われる日々に陥りました。
さらに問題だったのは、仲介サイトの運営者や関係先から、提出した情報をもとに様々な営業連絡が来ることです。「別の案件を紹介できます」「取引先に代わって資金を調整します」など、最初は便利そうに見えました。しかし、無料相談の名目で吸い上げられた情報は、私の知らないところで次々と流通しており、電話やメールが一日中鳴り続けるようになりました。
資金が回らないと新しい資金を調達せざるを得ず、手数料は累積し、負担はどんどん膨らみます。取引先への説明や支払い調整も自分で行わなければならず、精神的に追い込まれました。夜も眠れず、頭の中は資金繰りのことでいっぱい。仕事に集中できない日が続き、心身ともに疲弊していきました。
結局、資金繰りが破綻し、数か月で主要な下請け先との信用を失いました。便利そうに見えた仲介サイトが、私の経営と生活をじわじわと締め上げる罠だったのです。「合法だから安心」と書かれていましたが、実態はヤミ金に近い仕組みで、依存すれば資金も信用も失うことになります。
今では、二度とあのようなサービスは利用していません。私の経験が、他の小規模事業者やフリーランスにとって、便利そうに見えるサービスの裏側を警戒するきっかけになればと思っています。便利な広告文や体験談に惑わされず、慎重に情報を精査することが何より重要だと痛感しました。

