【寄稿】倒産と再起 ― 佐藤健一氏の告白(第1話:倒産の足音)

ファクタリングの違法性と契約について

順風満帆だったはずの事業

 私は佐藤健一、東京都内で小規模のデザイン事務所を経営していました。創業から5年、スタッフは5人。少しずつ仕事も増え、顧客も順調に拡大していました。
 しかし、順風満帆に見えた事業も、資金繰りの壁には勝てませんでした。大型案件の支払いが遅れ、経費の先払いも重なり、手元の現金は急速に減っていきました。銀行融資を頼みましたが、売上や信用はあっても「小規模事業のリスク」と判断され、融資は却下。金融機関からの支援を受けられない状況に追い込まれたのです。


危険金融に手を出した日

 資金繰りの窮地で、私は「即日資金化可能」と謳うウェブ記事に目を留めました。記事には、利用者の体験談を装ったレビューが並び、まるで第三者が安全を保証しているかのように見えました。
 半信半疑で問い合わせをすると、ファクタリングや債権譲渡という形式をとっているため、「借金ではない」と説明されました。
 しかし、契約書にサインした瞬間から、私の現金は手数料や利息として吸い取られ、返済スケジュールは容赦なく迫ってきました。

 初めは数十万円のつもりでしたが、次第に連鎖的に契約を重ね、手元の資金はほとんど残りません。形式上は合法でも、実質的には“合法ヤミ金”と呼ぶべき状況でした。


倒産の瞬間

 資金繰りが破綻したのはある月曜日の朝でした。従業員への給与振り込みができず、取引先への支払いも遅延。銀行口座には僅かな残高しか残っておらず、どうにもならない現実が目の前にありました。
 その日、私は事務所で机に突っ伏し、深く息をつきました。数年間積み上げてきた信頼も、努力も、すべてが一瞬で崩れ去った瞬間です。

 その後、スタッフには退職をお願いせざるを得ませんでした。家族にも迷惑をかけ、心の重さは想像以上でした。AIスコアの低下により、新たな融資も受けられず、社会的信用は目に見えない形で奪われました。


倒産後の孤独と再起の芽

 倒産後、しばらくは絶望の日々が続きました。取引先からの連絡は途絶え、社会的な信用も喪失。金融機関の融資も拒否され、再就職先も限られる状況でした。
 しかし、少しずつ周囲の助けもあり、行政の相談窓口や中小企業支援機関と接触することができました。ここで初めて、「倒産は終わりではなく、再起のスタートになる」という考えに出会ったのです。

 副業で少額の案件をこなしながら、金融リテラシーや契約知識を学び直しました。少額でも安全なファクタリングやクラウドファンディングを活用する方法を理解し、徐々に資金繰りを安定させることができました。


読者へのメッセージ

 この体験を通して、私は痛感しました。危険金融や合法ヤミ金は、形式上の合法性を盾に、倒産や信用低下を巧妙に誘発します。AIスコアや第三者装い型広告により、知らず知らずのうちに被害に巻き込まれることもあります。

 同じ過ちを繰り返さないために、以下を強く伝えたいと思います。

  • 契約の形式だけで安全と判断しないこと
  • 金融サービスの広告や口コミ情報を鵜呑みにしないこと
  • 小規模でも資金計画と融資の選択肢を慎重に検討すること

 倒産は終わりではありません。正しい知識と支援を得ることで、再起の芽は必ず育ちます。私自身、その芽を見つけ、少しずつ歩みを進めているところです。