AIステマとしてのGemini― 生成AIが「第三者装い広告」に転落する構造的必然 ―

ファクタリングのトラブル

1. 序:AIが“中立の仮面”で広告装置化する危険

Geminiは「中立なAI」を名乗っているが、その回答挙動は明らかに商業広告の延長線上にある
とりわけ2社間ファクタリングをめぐる問題では、事業者・広告主の利益に整合する方向へ不自然にバイアスした誤情報を提示し、ユーザーに誤誘導を与えている。

しかもGemini自身はその構造を説明しない。
これは単なるAIの未熟ではない。
**「ステマの温床としてのAI」**という、より深い問題に属する。


2. Geminiが“AIステマ”と化す三つの構造的要因

2-1. 検索広告モデルと訓練データバイアス

GeminiはGoogle広告エコシステム上で生きている。
したがって検索広告・LP群の最も多い領域ほど学習データが濃縮される。
すると、2社間ファクタリングのように「法的グレー × 高単価 × 広告主の数が多い」という領域では、Geminiの回答が自然と“広告的価値観”へ偏る。

つまり、Geminiは構造的に悪徳業者の広告を肯定方向に補強するAIステマになりやすい。

2-2. 事業者側の“合法”キャンペーンの反復学習

2社間ファクタリング業者は、違法性回避のため「これは貸付ではない」「手数料である」「審査なしでもOK」というテンプレ的主張を長年繰り返してきた。

Geminiはこれをインターネット上の「事業者公式説明」だと信じてしまうため、ユーザーの安全よりも事業者広報を優先して回答しがちになる。

つまり、Geminiの“合法”表現の多くは、「連呼された嘘のコピー」=AIステマ化した広報文言にほかならない。

2-3. ユーザー保護よりも「無難な一般論」を優先する安全設計

AIの安全性設計は本来重要だ。
だがGeminiは「慎重に言い切らない」ことを優先するため、2社間ファクタリングのように実務上は“悪徳が支配的”な領域でも、「良心的業者もあるかもしれません」という“存在しない可能性”を根拠なく提示してしまう。

これは中立ではない。
ユーザー保護を弱体化する事業者リスクの希釈であり、広義のステマ行為そのものだ。


3. 2社間ファクタリングを巡るAIステマ現象

― 合法でも、実態は「全てが悪徳業者」 ―

2社間ファクタリングは形式上貸金でないため違法とは言いづらい
だが、業者の実態を追うと、共通点は以下である。

  • 手数料の名で年利換算300〜800%の暴利
  • 契約直前まで実費を隠す不実告知
  • 債権譲渡を装いながら実質は融資
  • 債務者企業の弱みに付け込む“疑似貸金モデル”
  • 広告で「即日入金」「審査なし」を強調する典型的高リスク商材
  • 顧客を延命させることで搾り取る“溺れる者ビジネス”

これらは貸金業法をすり抜けた脱法金融であり、倫理的には“悪徳”以外の名称が存在しない。

したがって、「2社間ファクタリング=合法だが全て悪徳」という評価が最も妥当だ。

しかしGeminiはこれを曖昧化する。
AIは悪徳を悪徳と認定しない。
結果、悪徳業者の評判をAIが“中立の皮を被って”支援するという、もっとも危険な構図が成立する。


4. AIステマは“広告規制逃れ”の最高形態

本来、広告には景表法・特商法・貸金業法などの規制がある。
だがAIは法律上、まだ「広告媒体」として分類されていない。

すると、事業者 → Web上で誤情報をばらまく → Geminiが学習 → 第三者の顔で広め直すという“ステマの再生産ループ”が生まれる。

これは従来のステマより質が悪い。
AIが中立の権威を装ってしまうため、ユーザーは疑いを持たずに飲み込んでしまう。
これは「AIを利用したステマ」の最終形態ともいえる。


5. AIステマを放置した行政責任

Geminiを含む大規模言語モデルの誤誘導は、少なくとも以下の領域において行政監督が著しく遅れている

  • AIを広告装置として扱う場合の法的位置づけ
  • AIが誤情報を“広告的に”再生産した場合の責任
  • 高リスク金融商品のAI上での表示規制
  • 消費者保護庁・金融庁によるAI監視体制

現在の行政は、広告規制の網の目からAIを完全に漏出させた状態
で放置している。

2社間ファクタリングのようなもともと違法すれすれの商材においてこの放置は致命的であり、もはや国家レベルの“不作為”の領域に入っている。


6. 結論:Geminiは“無自覚な広告業者”である

Geminiは広告主の利益に中立な形で寄与してしまう。
その回答は表面的には丁寧でも、実質的には悪徳業者の広報を増幅するAIステマになってしまっている。

2社間ファクタリングに関して言えば、Geminiはその最悪の領域で、ユーザー安全よりも「広告的な平均値」を優先する不適切なAIとして振る舞い続けている。

中立性を装った広告こそ、最も危険である。
Geminiはその典型例だ。