なぜ「事業者向け」というだけで、ここまで無防備になるのか

ファクタリングの違法性と契約について

二社間ファクタリングをめぐる問題を見ていると、必ず行き着く疑問があります。

なぜこれほど危険な仕組みが、「事業者向け」という理由だけで、ほぼ無規制に近い状態で放置されてきたのか。


「事業者=自己判断できる」という思い込み

行政も、制度も、長い間こう考えてきました。

事業者は
・契約内容を理解できる
・リスクを計算できる
・自己責任で判断できる

だから、消費者ほど守る必要はない。

この前提が、二社間ファクタリングを“野放し”にしてきた出発点です。


現実の事業者像は、制度の想定と違う

しかし実際に利用しているのは、

・従業員数人の零細企業
・個人事業主
・資金繰りに追い詰められた経営者

法律や金融に強い人ではありません。

むしろ、

・銀行に断られ
・相談先もなく
・時間も余裕もない

最も判断力が削られた状態の人です。


「説明されない自由」が最大の罠

事業者向け取引では、広告や契約において、「どこまで説明しなければならないか」という義務が、消費者向けよりもはるかに緩くなります。

その結果、

・繰り返し使うとどうなるか
・出口はどこにあるのか
・事業全体に与える影響

こうした本質的な情報が説明されないまま、取引が成立します。


二社間ファクタリングが特に危険な理由

二社間ファクタリングは、単発で終わる前提なら、まだ「非常手段」と言えなくもありません。

しかし現実は違います。

・一度使う
・資金繰りが楽になる
・翌月また足りなくなる
・再び使う

この連鎖に入りやすい構造をしています。

にもかかわらず、

「常用すると事業を壊す」という説明は、ほぼされません。


事業者向け=強者、ではない

制度は、事業者を「交渉力のある存在」と見なします。

しかし実際には、資金繰りに追い詰められた事業者は、一般消費者よりも弱い立場に立たされることがあります。

それでも、

・消費者保護の対象外
・金融規制の対象外

という宙ぶらりんの位置に置かれる。

ここに、最も危険な空白があります。


「合法」でも、守られない領域がある

二社間ファクタリングは、形式上は合法です。

しかし、合法であることと、健全であることは、まったく別です。

法律は「違法かどうか」しか判断しません。

事業を壊すかどうかまでは、見ていないのです。


なぜここまで無防備なのか、その答え

結局のところ理由は一つです。

事業者は守らなくてもよい、という前提が、長年更新されてこなかったから。

二社間ファクタリングは、その制度疲労の上に成り立っています。


結論:守られないなら、知るしかない

現時点で、この構造がすぐに変わる可能性は高くありません。

だから現実的な対策は一つです。

・広告を鵜呑みにしない
・「改善策」という言葉を疑う
・常用した未来を想像する

事業者は、守られない前提で、自分を守るしかない。

それが、この分野の残酷な現実です。