今このページを読んでいる人の中には、「理屈は分かった。でも本当に今日中に金が要るんだ」という状態の人もいると思います。
給料の支払いがある、家賃やリース料の引き落としが迫っている、仕入れが止まると明日から営業できない、そういう切羽詰まった状況でしょう。
まず最初に言っておきます。
その焦りは正常です。
追い込まれた人間が「とにかく今日を乗り切る」判断をするのは、経営者としてむしろ自然です。
ただ、その状態のときに踏むと、ほぼ確実に会社の寿命を縮める地雷がいくつかあります。
それを知らずに進むか、知ったうえで踏みとどまるかで、半年後の景色は本気で変わります。
地雷① 即日入金を強調しすぎる2社間ファクタリング
今日中に金が要る人ほど、「即日」「最短30分」「審査なし」という言葉に引き寄せられます。
この心理を、業者側は完全に理解したうえで広告を作っています。
問題は、ここに書かれているスピード感が、そのまま危険度の高さと比例している点です。
審査が緩いということは、返済可能性や資金繰りの持続性をほぼ見ていないということです。
つまり、あなたの会社がこの先どうなろうが関係なく、「今この瞬間に売掛金を吸い上げられればOK」という設計です。
しかも、こういう業者ほど、手数料の説明が曖昧です。
表向きは10%前後に見せておいて、実際は諸費用や条件変更で20%、30%近く取られるケースも珍しくありません。
今日のピンチを抜ける代わりに、来月の資金繰りをほぼ詰ませに行く行為だということを、ちゃんと自覚した方がいいです。
地雷② 比較サイトの「おすすめ1位」を信じること
焦っているときほど、人は「誰かが選んでくれた正解」にすがりたくなります。
その心理にドンピシャで刺さるのが、検索結果の上に並ぶ比較サイトです。
ランキング形式で業者が並び、「安心」「実績豊富」「低手数料」と書かれていると、無意識にこう思ってしまいます。
「この中から選べば、さすがに地雷は避けられるだろう」と。
でも、現実は逆です。
あれは利用者のための比較表ではなく、送客単価の高い順に並べ替えられた広告枠です。
あなたがどこを選ぼうが、比較サイト運営者は紹介料を受け取ります。
あなたの会社がその後どうなろうが、関係ありません。
しかも、「今日中に金が要る人」は、その比較内容を精査する余力がありません。
結果として、一番広告がうまい業者に吸い込まれる確率が跳ね上がります。
この瞬間、あなたはすでに「冷静な選択」をしているつもりで、「一番都合よく刈り取られるルート」に誘導されています。
地雷③ 売掛金を限界まで全部出すこと
これ、実務的にめちゃくちゃ多い失敗です。
「どうせ出すなら、まとめて出して一気に楽になろう」と考えてしまう。
でも、これは最悪の打ち方です。
売掛金は、あなたの会社にとってほぼ唯一の“呼吸装置”です。
それを一気に先食いすると、次の入金までの期間を乗り切る手段が消えます。
結果として、こうなります。
今月は助かる。
でも、来月また同じ、いやそれ以上にきつい状況になる。
そして、「もう一回だけ」と言いながら、二回目、三回目に突入する。
このループに入ると、もう自力では止まりません。
業者側は「次も使ってくれる客」だと分かっているので、条件はどんどん悪くなっていきます。
今日のピンチを抜けるために、未来の自分を完全に人質に出す行為だという自覚が必要です。
地雷④ 家族や従業員に黙ったまま進めること
意外と軽視されがちですが、これも致命的な地雷です。
「今さら心配かけられない」
「とりあえず金さえ入れば何とかなる」
この心理で、誰にも相談せずにファクタリングを決めてしまう人が本当に多いです。
でも、冷静に考えてみてください。
その金は、あなた一人の問題を解決するための金じゃありません。
家族の生活や、従業員の給料や、取引先との関係をまとめて賭けに出す金です。
にもかかわらず、判断を一人で抱え込むのは、経営としてもリスク管理としても最悪です。
この段階で誰にも言えない判断ほど、だいたい間違っています。
それでも今日金が要る人が、踏むべき「地雷じゃない一手」
ここまで読んで、「じゃあ何もするなってことか」と思ったかもしれません。
違います。
地雷を避けたうえで、まだマシな一手はあります。
それは、「今日中に全部解決しようとしない」ことです。
半分だけ用意できればいい支払い、数日遅れても即死しない支払い、今月飛ばしても実害が出にくい支払い、そういうものが必ず混じっているはずです。
そこを仕分けして、一番クリティカルな一件だけを、頭を下げて止める。
これだけで、必要な現金額はかなり下がります。
現金額が下がれば、ファクタリングを使わずに済む確率も現実的に上がります。
「今日中に全部払えない=終わり」ではありません。
「今日中に一部止める」だけでも、会社は生き延びます。
結論:今日を越えるために、明日を捨てるな
本当にどうしようもない状況で、「今日金が要る」というのは、経営者にとって地獄みたいな瞬間です。
その苦しさは、外から見ている人間には分かりません。
でも、だからこそ一つだけ覚えておいてほしい。
2社間ファクタリングは、「今日を越えるための手段」ではなく、「明日を犠牲にする手段」になりやすいということです。
今日を越えたあとに、もっときつい明日が来る選択をするのか。
今日を一部犠牲にしてでも、まだ巻き返せる明日を残すのか。
この差は、半年後に取り返しがつかないレベルで効いてきます。
もし今、申込フォームを開きかけているなら、いったん閉じてください。
その5分で、このページをもう一回読み直してください。
そして、「今すぐ払わなくても死なない支払い」と「本当に止めると即死する支払い」を紙に書き出してください。
それをやったうえで、まだファクタリングしか残っていないと思えるなら、その時は止めません。
でも、ほとんどの人は、その段階で「まだ踏んでいない地雷があった」ことに気づきます。

