それでも二度目に進んでしまった人の、最低限の被害縮小策

ファクタリングの違法性と契約について

まず最初に言うべき現実

ここまで読んでくれている人の中には、もう二度目を使ってしまった人もいると思います。
「一回で止めるつもりだったのに」「本当にこれで最後のはずだったのに」と、自分を責めているかもしれません。

でも、ここで一つだけはっきり言います。
二度目に進んだ時点で、状況はかなり悪いですが、まだ“即死ゾーン”ではありません。
本当に詰むのは、ここから何も変えずに三度目、四度目に進んだ場合です。

この回は、あなたを慰めるための話ではありません。
「ここから何をやれば、被害を最小限に抑えられるか」だけを、現実ベースで書きます。


二度目を使った時点で、何がどれだけ悪化しているのか

まず、自分の立ち位置を正確に把握してください。
二度目を使ったということは、すでに売掛金の二山分を先食いしています。
そこに二回分の高い手数料が乗っています。
つまり、あなたの会社は「現金が足りない状態」であるうえに、「将来入ってくるはずだった現金」まで削っている状態です。

この段階の資金繰りは、見た目以上に脆いです。
一つでも入金がズレると、連鎖的に詰みます。
しかも、業者側から見ると、あなたはもう「常用客候補」になっています。
条件が良くなることはまずありません。
むしろ、次に出てくるオファーは、ほぼ確実に今より悪くなります。

ここを甘く見ていると、「三度目だけは仕方ない」という思考に、あっさり引きずられます。


最低限やるべき第一歩:三度目を“物理的に”遠ざける

精神論は通用しません。
まず、三度目に進む導線を、物理的に潰してください。

前回・前々回で使った業者の連絡先は、全部スマホから消してください。
ブロックでも構いません。
営業担当からのLINEやSMSが残っているなら、それも消してください。

次に、比較サイトのブックマーク、履歴、検索履歴も消してください。
これは気休めではなく、本気で効きます。
追い込まれたとき、人は「一番早く金にたどり着ける動線」に反射的に乗ってしまうからです。

最後に、誰か一人だけでいいので、「もう二度と使わない」と宣言してください。
家族でも、従業員でも、税理士でも構いません。
この一言があるだけで、「内緒で三度目」が一気にやりづらくなります。


次の3か月を“最悪想定”で見える化しろ

二度目を使った人が、ここから生き残れるかどうかは、ほぼこの一作業で決まります。
次の3か月分の資金繰り表を、希望的観測ゼロで作ってください。

売上は最低ラインで見積もる。
入金は、遅れる前提で置く。
支払いは、来るものを全部入れる。
そして、「このままだと、いつ、いくら足りなくなるか」を正確に出す。

これをやらずに「たぶん何とかなる」は、ほぼ確実に三度目に直行します。
逆に言うと、これを一回ちゃんと作るだけで、「もう一回使うしかない人」と「ギリギリ回避できる人」がはっきり分かれます。

ここで足りなくなる金額が、数十万円単位で済んでいるなら、まだ勝負できます。
数百万円単位で足りないなら、かなり厳しいですが、それでもまだ手は残っています。


「全部払う」発想を今すぐ捨てろ

二度目を使った人ほど、ここでさらに間違えやすい思考があります。
それは、「とにかく全部の支払いを期日どおり守らなきゃ終わりだ」という発想です。

はっきり言います。
その発想のままだと、ほぼ確実に三度目に進みます。

この段階でやるべきなのは、「全部払う」ことではなく、「死なない支払いだけを守る」ことです。
給料、家賃、電気代、止まると即営業不能になる仕入れ、ここだけは最優先で死守する。
それ以外は、頭を下げて止めるか、分割にしてもらうか、期日をずらすしかありません。

ここで取引先が一社抜ける可能性はあります。
でも、それでもなお、三度目に進むよりは圧倒的にマシです。
一社失うのは局所的ダメージですが、三度目に進むのは構造的ダメージだからです。


業者から来る「追加枠」「条件緩和」の甘い話に乗るな

二度目を使った直後から、業者側の態度が変わっているはずです。
「次もすぐ対応できますよ」
「枠、もう少し広げられますよ」
「手数料、次は多少下げられるかもしれません」

これ、全部罠です。

あなたが常用化しかけているのを、向こうは完全に把握しています。
条件が良くなるように見せて、実際には売掛金をさらに深く食いに来ます。
一回目より二回目、二回目より三回目の方が、総支払額はほぼ確実に増えます。

ここで一度でも「じゃあもう一回だけ」と応じたら、抜け出す難易度は一気に跳ね上がります。


二度目からでも、ギリギリ踏みとどまれた人の共通点

実務を見ていると、二度目を使ってしまったあとでも、踏みとどまれた人は確かにいます。
その人たちに共通しているのは、かなり地味で、正直ダサい行動です。

支払いを止める順番を現実ベースで組み替えた。
取引先に頭を下げて、支払いサイトを延ばしてもらった。
役員報酬や生活費を一時的に本気で削った。
そして、もう一度だけ銀行や公的融資にダメ元で当たりに行った。

どれもプライドが削れます。
どれも即効性はありません。
でも、これをやった人だけが、三度目に進まずに済んでいます。


結論:二度目の後には、まだ「最後の非常口」が残っている

最後に、かなり厳しいことを言います。

二度目を使ってしまった時点で、あなたの会社はもう相当追い込まれています。
ここから楽な道はありません。
派手な逆転策もありません。

でも、まだ終わりではありません。

本当に終わるのは、三度目に進んだ瞬間です。
三度目に進むと、資金繰りの主導権は完全に業者側に移ります。
その段階に入ると、被害縮小どころか、延命すら難しくなります。

逆に言うと、二度目の直後は、まだ最後の非常口が残っているタイミングです。
その非常口は狭くて、暗くて、プライドを全部削られます。
でも、そこを通れる人だけが、ギリギリ生き残れます。

もし今、「また使うしかないかも」と思い始めているなら、それはもう最終警告です。
今この瞬間に、業者の連絡先を消してください。
資金繰り表を一枚だけ作ってください。
そして、一番マシな相手に頭を下げる準備をしてください。

それができるかどうかで、半年後に「まだ会社があるかどうか」が、本気で決まります。