2社間ファクタリング “もう一回だけ”に勝てた社長が、あとで一番救われた判断

ファクタリングのトラブル

「今月だけ」のつもりで始まる

2社間ファクタリングを使い始めた社長の多くは、最初から長期利用を考えているわけではありません。
「今月だけ」「この支払いを乗り切るまで」「入金が遅れた一回だけ」という軽い判断から始まります。

その時点では、資金繰りが一時的に楽になったように見えます。
しかし実際には、会社の資金が増えているわけではありません。
売掛金を前倒しで現金化しているだけで、翌月以降の入金を先に失っているに過ぎません。

二回目から依存が始まる

問題は、その次の月です。
すでに一部の入金は使い切っており、さらに高い手数料を支払っているため、資金繰りは確実に悪化します。

そこで多くの社長は、同じ言葉を繰り返します。
「今回が本当に最後」「もう一回だけ」。

しかし、この二回目から状況は変わります。
選択ではなく依存が始まります。

やめたくてもやめられない状態に入るのです。
通常の入金だけでは資金繰りが回らなくなり、同じ業者に頼るしかなくなります。

そこで踏みとどまった社長がいる

一方で、ぎりぎりのところで踏みとどまった社長がいます。
二回目を使わなかった社長です。

この判断は、その瞬間には正解に見えません。
支払いを待ってもらい、金融機関に頭を下げ、条件を組み直し、自分の報酬を止めることもあります。

短期的には、2社間ファクタリングを続けた会社よりも苦しく見えます。

しかし、ここで流れが決定的に分かれます。

続けた会社と止めた会社の差

2社間ファクタリングを続けた会社は、数か月後に資金繰りの自由を失います。
資金の流れは業者に握られ、手数料の支払いが固定費のように積み上がります。

金融機関の評価は悪化し、通常融資の道は閉ざされていきます。
やがて資金繰りは業者前提でしか回らなくなります。

一方で、「もう一回だけ」に勝てた会社は、信用と時間を失わずに済みます。
売掛金の流れは正常なまま残り、金融機関との交渉も継続できます。

最悪の場合でも、資金繰り改善、リスケ、事業再構築という選択肢を残すことができます。

正しい判断はその場では評価されない

ここで重要なのは、正しい判断はその瞬間には楽ではないという点です。
むしろ間違った判断のほうが、その場しのぎとしては楽に見えます。

しかし、数か月後、一年後に結果ははっきり出ます。
会社が残るか、資金繰りに押し潰されるか、その差になります。

2社間ファクタリングが危険な理由

2社間ファクタリングの最大の危険は、違法ではないことです。
規制は弱く、広告は多く、「合法」「即日」「簡単」という言葉が並びます。

そのため、「一回だけ」が許される空気が生まれます。

しかし実態は、合法ヤミ金と呼ばれても不思議ではない構造です。
高額な手数料で未来の資金を削り取り、会社の体力を確実に奪っていく仕組みだからです。

「もう一回だけ」に勝てた判断の価値

「もう一回だけ」に勝てた社長は、特別に強い経営者だったわけではありません。
ただ一度立ち止まり、苦しい選択を受け入れただけです。

そしてその判断が、あとで一番会社を救う判断になります。

もし今、2社間ファクタリングを検討しているなら、あるいはすでに一度使ってしまったなら、ここが分かれ道です。
次に進むか、ここで止まるかで、その後の経営の難易度はまったく変わります。

「もう一回だけ」に勝てるかどうか。
それが、2社間ファクタリングから抜け出せるかどうかの最初で最後の関門です。