2社間ファクタリングの紹介料は誰が最終的に負担しているのか――「業者負担」に見せかけた危険な転嫁構造

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2社間ファクタリングの現場で、「紹介料は業者が払っているから、利用者の負担ではない」と説明されることがある。しかし、この説明ほど危ういものはない。金の流れを少し追えば、その負担の最終的な帰着点が、ほぼ例外なく利用企業であることはすぐに分かる。

紹介料は、決して業者の善意で支払われているのではない。それは、最初から利用者の手数料の中に組み込まれたコストである。

表向きは「業者負担」、実態は手数料への完全転嫁

多くの業者は、紹介者に対して成約額の10%から20%、しかも継続回数ごとに報酬を支払っている。これほど高率なコストを、業者が自腹で負担し続けられるはずがない。

当然、その原資はどこかから回収される。その回収先は一つしかない。利用者が支払うファクタリング手数料そのものである。

実務では、手数料率は最初から、紹介料の発生を前提に設計されている。紹介案件だけが特別に高いわけではない。業者全体の価格体系の中に、紹介料コストが平均的に織り込まれている。

つまり、利用者は、自分が紹介料を直接払っていないつもりでも、実際には手数料の形で確実に負担している

継続取引が続くほど、負担は雪だるま式に増える

さらに深刻なのは、紹介料が「一回限り」ではなく、「継続回数ごと」に発生する点である。

2社間ファクタリングは、一度利用すると、なかなか抜けられない。売掛金が常に先取りされ、資金繰りは慢性的に苦しくなる。そのたびに、新しい取引が組まれ、そのたびに紹介料が再び発生する。

このとき起きている現象は極めて単純である。

利用者が苦しくなればなるほど取引回数が増え、取引回数が増えれば増えるほど紹介者が儲かり、紹介者が儲かるほど、業者はさらに利用を勧める。

この循環の中で、すべてのコストを背負わされているのは、常に利用企業だけである。

紹介料は「見えない手数料」として隠されている

問題をさらに複雑にしているのは、紹介料が契約書にも請求書にも一切現れないことである。

利用者が目にするのは、「買取手数料」「事務手数料」「保証料」などの名目だけだ。その内訳に、紹介料が何%含まれているのかは、誰も説明しない。

ここに、2社間ファクタリングの最大の構造的欠陥がある。

負担している本人が、その負担の存在すら知らされていない。

金融商品であれば、販売手数料やリベートの開示が問題になる。しかし、この市場では、その種の開示義務がほぼ存在しない。その結果、紹介料は、完全にブラックボックスのまま、利用者のコストとして吸い上げられている。

業者が本当に負担しているのは、リスクではなく回収代行費用にすぎない

業者側はよく、「紹介料は営業コストだから利用者には関係ない」と説明する。しかし、これは極めて不正確である。

営業コストである以上、それは最終的に価格に転嫁される。しかも、2社間ファクタリングの手数料率は、一般の金融商品と比べても異常なほど高い。

この異常な水準の中には、

・業者自身の利益
・貸倒リスクの上乗せ
・回収管理コスト
・そして紹介料

すべてが一体として含まれている。

利用者は、「資金調達コスト」を払っているつもりで、実際には、営業報酬・紹介報酬・回収代行費用まで一括で負担させられている

結局、誰がこの市場を支えているのか

ここまで整理すれば、答えは明確である。

紹介業者も、士業も、業者自身も、この市場で利益を得ているすべての当事者は、最終的に、資金繰りに追い詰められた中小企業の資金から報酬を得ている

「業者が払っている」という説明は、単なる会計上の見せ方にすぎない。実態は、利用者がすべて払っている市場である。

だからこそ、この問題で最も重要な警告は、ここにある。

2社間ファクタリングの紹介案件では、手数料率を見るだけでは何も分からない。
見るべきなのは、「この取引で、誰が、どれだけ抜いているのか」という一点である。

それが開示されない限り、その取引は、最初から極めて危険である。