集客モデルとして組み込まれたアフィリエイト構造
2社間ファクタリングの周辺には、紹介業者や士業だけでなく、アフィリエイト広告や集客代行会社が深く関与している。表向きは「広告費」「成果報酬」「送客手数料」と整理されているが、その原資は最終的に利用企業が支払う手数料であり、実質的には資金提供の対価の一部から分配されている構造に変わりはない。
広告対価か、利息分配かという法的分岐点
ここで問題になるのは、そのアフィリエイト報酬が、単なる広告対価なのか、それとも「利息の分配」と評価され得るのか、という点である。
まず前提として、2社間ファクタリングが真に債権譲渡である限り、法形式上は利息は存在しない。しかし、違法認定の局面では、多くの場合「実質貸付」であるか否かが争点となる。
実質貸付認定と手数料再構成の影響
売買を装った資金供与であり、回収保証や償還義務が存在すれば、取引全体が貸付と再構成される可能性が高い。その場合、利用企業が支払った高率手数料は、形式を問わず「利息相当額」として評価される。
利息相当額の外部分配という構造
そして問題は、その利息相当額の一部が、アフィリエイト事業者に成果報酬として分配されている点にある。
もしファクタリング業者が受領した手数料の中から、一定割合を送客の対価として還流させているのであれば、その性質は単なる広告費を超える。
名目ではなく実質で判断される利息概念
貸金業法や出資法の解釈において、利息とは名目ではなく、経済的実質で判断される。過去の判例でも、「手数料」「保証料」「紹介料」と称していても、貸付の対価であれば利息と同視されてきた。
受領者が資金提供者でなくても成立する責任構成
問題は、その受領者が資金提供者本人である必要はないという点である。違法認定後、利息収益の一部を分配されたアフィリエイト事業者が、完全に第三者として免責される保証はない。
成果報酬型モデルが持つ利息連動性
さらに深刻なのは、成果報酬型の構造である。送客件数や成約金額に比例する報酬は、高率手数料と継続利用に正比例する。この関係は、広告というより利息収益の外部販売に近い。
無監督主体が利息収益を受領する制度的不安定性
金融媒介には本来、登録や監督が伴う。しかし多くのアフィリエイト事業者は金融規制の枠外にある。その主体が恒常的に利息相当額の一部を受領する構造は、制度上きわめて不安定である。
違法認定後に広がる返還請求と責任追及
違法認定後の訴訟局面では、手数料全体に対する不当利得返還請求が行われる。その中に、すでに外部へ支払われたアフィリエイト報酬が含まれる構成も十分に想定される。
共同不法行為としての構成可能性
さらに、アフィリエイト事業者自身に対しても、共同不法行為者としての責任追及が行われる可能性がある。違法性の認識、報酬水準、継続性はいずれも争点となる。
集客モデルが金融取引内部に組み込まれた帰結
本質的な問題は、集客モデルそのものが金融取引の内部に組み込まれている点にある。広告であることを理由に、利息規制の射程外に置かれてきた構造が、違法認定と同時に再編成される。
利息分配として再評価される可能性
アフィリエイト報酬は、本当に広告対価なのか。それとも、貸付の対価を分割した利息分配なのか。この問いは、2社間ファクタリング市場の収益分配構造を直接に問う論点である。

