なぜ「考える時間」そのものが奪われるのか

不存在債権は「詐欺か?」「不当原因給付か?」

――脱法金融・合法ヤミ金・脱法ファクタリングが成立する唯一の条件

2社間ファクタリングは、資金を提供するビジネスではない。
思考を奪うことで成立するビジネスだ。

もし利用者に十分な「考える時間」が与えられていたら、この取引の多くは成立しない。
だからこそ、脱法ファクタリングは最初から、考えさせない構造として設計されている。

これは偶然ではない。
意図的だ。


「即日」「最短」「スピード」が異常に強調される理由

2社間ファクタリングの広告に共通する言葉がある。

・即日入金
・最短30分
・今すぐ資金化
・待たせません

これは利便性の説明ではない。
時間を敵に回すための宣言だ。

考える時間を与えれば、
・高すぎる手数料
・実質的な金利
・契約の歪さ

必ず気づかれてしまう。

だから、判断が始まる前に契約させる。
これは、かつてのヤミ金が使ってきた手法と本質的に同じだ。

違うのは、合法の皮をかぶっているかどうかだけである。


「借金ではありません」が奪っているもの

脱法ファクタリングが最も巧妙なのは、
「借入ではありません」という一文だ。

この言葉は安心を与えているようで、実際には
思考の方向を封鎖している

借金だと思えば、人はこう考える。

・金利はいくらか
・返済できるのか
・他に方法はないか

だが「借金ではない」と言われた瞬間、
これらの問いが無意識に消える。

これは説明ではない。
判断停止装置だ。

合法ヤミ金が長年使ってきた言語操作と、構造は完全に一致している。


比較・相談・再検討をさせない設計

健全な金融取引は、比較されることを前提にしている。
脱法金融は、比較されると死ぬ。

だから2社間ファクタリングでは、

・相見積もりを嫌がる
・他社比較を急かす
・第三者相談を勧めない

という挙動が頻発する。

これは営業の癖ではない。
モデルとして、比較に耐えられないからだ。

比較された瞬間、
「なぜここまで高いのか」
「なぜリスクは全部利用者側なのか」
という問いが避けられなくなる。

だから、考えさせない。
だから、急がせる。


脱法ファクタリングは「正常な判断」を前提にしていない

重要な点がある。

2社間ファクタリングは、
冷静な経営者を顧客として想定していない

想定しているのは、

・資金繰りに追い詰められ
・時間がなく
・相談先も見えず
・自尊心も削られた状態

この「判断が壊れかけた一点」だけだ。

だからこそ、
考える時間を与えないことが、最大の利益になる。

これは金融ではない。
判断崩壊を前提とした収奪構造だ。


なぜ規制されないのかではない、なぜ成立してしまうのか

多くの議論は「なぜ規制されないのか」に向かう。
だが、本質はそこではない。

なぜなら、
規制される前に、判断が終わらされているからだ。

考える時間が奪われ、
相談の動線が遮断され、
比較の余地が消された状態では、
利用者は制度的保護にすら辿り着けない。

脱法金融が最も恐れるのは、法律ではない。
冷静な思考だ。


結論:考える時間を奪う金融は、すでに暴力である

2社間ファクタリングは、
違法か合法かという以前の問題を抱えている。

それは、
人の判断能力を意図的に奪うことで成立しているという点だ。

合法ヤミ金。
脱法金融。
脱法ファクタリング。

これらは過激なレッテルではない。
構造を正確に言い表した言葉だ。

考える時間を奪われた取引は、
同意ではない。