ファクタリングの手数料や契約条件では、偽装ファクタリングを見分けることはできない
ファクタリングを利用する際、多くの方が「契約書をよく読めば違法かどうかがわかる」と思いがちです。しかし現実には、表面的な契約内容では、合法とされるファクタリングと、違法な貸付を装った偽装ファクタリングとを見分けることは困難です。
特に注意すべきなのは、「債権譲渡契約」「償還請求権なし」「手数料○%」といった形式が一応は整っているように見えても、その実態が貸金そのものであるケースです。たとえば、債権が回収できなかったときに利用者側に支払い義務を求めるような取り扱いをしていたり、入金管理の名目で執拗に口座情報を求められたり、さらには返済を督促するような回収業務を行っている場合、名目はどうであれ、実質的には貸金業とみなされる可能性があります。
「この条件なら大丈夫」という判断は危険
表面上は問題のない手数料や契約形式であっても、実際に運用される過程で、貸金と変わらない振る舞いをされることがあります。つまり、「償還請求権なし」と書かれていても、回収不能時に違約金や損害金の名目で請求されるようであれば、それは債権譲渡ではなく貸金と同様の構造と見なされかねません。
このような構造は、いわゆる「偽装ファクタリング」と呼ばれ、違法性を帯びるリスクが非常に高いとされています。そして、こうしたスキームは見かけの数字や表現だけでは見破れません。むしろ、「契約書にそう書いてあるから大丈夫」という油断が、深刻な被害につながるのです。
すべてのファクタリング業者を疑ってかかれ
このような実態がある以上、「どの業者が安全か」「この条件なら安心」といった基準は、利用者個人の判断では極めて困難です。特に2社間ファクタリングの場合は、第三者の目が入らず、業者と利用者だけのやり取りで完結してしまうため、ブラックボックス化しやすいという特性があります。
さらに、「ファクタリングに見せかけた貸金行為」を行っている業者ほど、あたかも正当な金融サービスであるかのように巧妙な説明を用意しています。中には「偽装ファクタリングを見分ける方法」などと称して、ネット上で情報を発信している業者もありますが、そうした発信者自身が実際には偽装に該当するスキームを用いていることも少なくありません。
この業界では、「自分はクリーンで他は違法」と主張すること自体が営業手法になっている場合があるため、言葉だけを信じてはいけません。
利用する前に立ち止まる勇気を
2社間ファクタリングは、売掛先に知られずに資金調達できるという点で、たしかに便利な手段ではあります。しかし、その反面、構造的に「抜け出しにくい」性質や、「法的な保護を受けにくい」弱点を抱えています。利用者自身が「貸金ではないから大丈夫」と思っていても、後になって違法な契約だったと気づいても、すでに高額な支払いや違約金を負っていることが多いのです。
契約前に「これは本当に債権譲渡の取引といえるのか」「自分が本当に債権の売主として扱われているか」という根本的な視点で検討することが重要です。少しでも違和感を持ったなら、その取引は避けるべきです。
結論:すべての2社間ファクタリングは慎重に、そして疑ってかかれ
合法か違法かは、形式ではなく実態で判断されます。そして、その実態は利用者には見えにくいものです。すべての2社間ファクタリングが偽装であると断定することはできませんが、すべての2社間ファクタリングは、最初から「貸金として判断される可能性があるもの」として疑ってかかる必要があります。
安易に資金調達の手段として利用すれば、後になって抜け出せなくなる、あるいは違法行為に巻き込まれてしまうリスクがあります。資金が必要な状況こそ、冷静な判断力が求められます

