「中小企業の味方です」「スピーディで安心」「銀行に頼れない方もご相談ください」。
2社間ファクタリングを展開する企業の多くが、こうしたコピーを前面に打ち出し、資金繰りに悩む事業者の不安に寄り添うような姿勢を装っています。とくに最近では、公式サイトやパンフレットに「金融庁指導のもと安心運営」や「弁護士監修」といった言葉をちりばめ、「私たちは怪しくありません」と主張するかのような広報が目立ちます。
しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。そうした会社の中身を一つずつ精査していくと、逆に「なぜそこまで“安心”を繰り返すのか?」という疑念が浮かび上がってきます。むしろ、彼ら自身が「怪しい存在」に無自覚なまま、資金調達の最後の頼み綱にすがる事業者を食い物にしている構図があるのではないでしょうか。
2社間ファクタリングは、売掛債権を譲渡して現金化する仕組みです。債務者(売掛先)に通知がされないため、取引関係に波風を立てずに資金が手に入るというのが最大の売り文句です。実際、銀行融資が通らず、ノンバンクにも断られた中小企業にとっては“最後の一手”として利用されることも少なくありません。
ただしその一方で、手数料が売掛金の20~30%に達する事例も散見され、実質年利に換算すれば出資法の上限(年20%)を優に超えることもあります。それでも「これは融資ではなく売買です」と主張して、貸金業登録を避ける。法の網をすり抜けたこのビジネスモデルが、果たして本当に“安心”と言えるでしょうか。
「売買契約だから貸金ではない」「債権譲渡通知はしていないが適法だ」といった説明は、法的に形式を整えているだけにすぎません。実際には、売掛金の回収ができなければ補填を求められたり、追加の費用が発生したりするケースが後を絶ちません。分割で買い取る契約になっているために、途中でキャンセルすると違約金が発生する、などという事例もあります。
こうした構造の中で「安心」を強調する姿勢そのものが、何かをごまかしているように見えてしまうのです。信頼とは本来、実態と透明性の上に成り立つものですが、2社間ファクタリング業者の多くは、実態をひた隠しにしたうえで表面だけを取り繕っている印象が否めません。
それに加えて、口コミサイトやランキングページを自社または関係会社が運営していることも少なくありません。自作自演の評価を並べ、自社を1位にして「多くの事業者様に選ばれています」とアピールする──そのような手法が当たり前のように使われているのが現実です。まるで情報商材ビジネスのような雰囲気さえ漂います。
本当に信頼される金融サービスであれば、ここまで“安心”“信頼”“即日対応”といった言葉を並べ立てる必要はないはずです。過剰なアピールが必要だという時点で、自らのサービスがもつ構造的リスクをうすうす理解しているのではないか、と疑いたくなります。
そもそも、法令に基づいた金融サービスであれば、貸金業登録を取得し、年利制限を守り、情報開示義務も果たすのが基本です。しかし2社間ファクタリングの世界では、それらの義務を「これは融資ではないから」との理由で回避するケースがほとんど。貸金業法や出資法を迂回しているというより、“無視している”という表現の方が近いかもしれません。
この状況に対して、規制当局も警戒を強めています。金融庁は過去に「実質が貸付であれば、形式が売買であっても貸金業法の適用対象になる」と明言しており、実態重視の姿勢を崩していません。つまり、今後、2社間ファクタリングに対して本格的な規制強化が進む可能性も十分にあるということです。
それにもかかわらず、「私たちは健全な事業者です」「金融庁に相談しています」といった発言を繰り返し、あたかも公的なお墨付きを得ているかのように装う姿勢には、不誠実さすら感じます。相談することと、指導や許可を得ることはまったく別物です。利用者の誤解を招く表現を平然と用いる時点で、「安心」とは程遠い体質であることが露呈しています。
結局のところ、「安心できるファクタリング会社」とは、キャッチコピーではなく、契約内容と運営実態によって評価されるべきものです。表面を取り繕い、形式的な合法性だけを主張する企業ほど、逆に「安心できない」と感じさせるのが現実ではないでしょうか。
資金繰りに悩む企業が本当に必要としているのは、一時的な“現金”ではなく、信頼できるパートナーです。高利で短期の資金を回し続けるだけの構造は、いずれ破綻します。ファクタリング業者が自らを「安心です」と繰り返すなら、まずはその構造と契約内容を、第三者の目から見て本当に健全といえるのか、客観的に見つめ直す必要があるはずです。
怪しいと疑われるのは、利用者の無理解のせいではありません。その疑念を生むような言動を積み重ねてきたのは、ほかならぬ業者自身なのです。

