ファクタリングの経営者は元ヤミ金や質の悪い街金出身者が多いってホント?

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「ファクタリング業者の経営者には、かつてヤミ金や街金に関与していた人物が多い」——そんな噂はインターネット上でも散見されます。実際のところどうなのか、確かな統計データがあるわけではありませんが、業界の成り立ちや構造を見ていくと、ある程度その背景が見えてきます。

ファクタリングは、貸金とは異なる「売買契約」であることを前提とした資金調達手段です。このため、貸金業のような免許や登録が原則不要であり、資金さえあれば誰でも事業を始めることができます。この参入障壁の低さが、かつて貸金業に携わっていた人物の一部を引き寄せている、という指摘は、いくつかの弁護士事務所の解説でも見られます。

また、「審査が緩く即日現金化できる」「保証人不要」「借入ではないので信用情報に傷がつかない」といった謳い文句を並べるファクタリング業者の中には、実質的に貸金と変わらない手数料設定をしているケースもあります。あるコラムでは、こうした業者の中には、過去に違法な金融業務に関わっていた者が再び類似の手法で利益を上げている例もあると指摘されています。

特に2社間ファクタリングは、利用者と業者の間で直接やり取りされ、第三債務者(取引先)には通知しない方式であるため、実態を外部から把握しにくいという側面があります。表向きは「債権の売買」であっても、内容をよく見ると「一定期間後に確実に買戻しが必要」「支払われない場合は全額請求する」といった条項が含まれていることもあり、実質的に貸金と変わらない構造だと評されるケースもあります。こうしたスキームが元ヤミ金関係者によって作られている可能性があるという見方も、複数の解説記事で触れられています。

なぜそうした人物がファクタリング業界に流れ込むのか、その背景には三つの要素があると分析する向きがあります。

第一に、ファクタリングには法的な明確な規制がまだ整っていないという点です。貸金業であれば利息制限法や貸金業法により厳格な上限金利が定められ、登録も必要となります。しかしファクタリングは、あくまで「売買契約」であるという体裁のもとに提供されているため、表面上はこれらの法律の適用外となるのです。ある弁護士によれば、この法の隙間を狙って、高金利取引を再現するような事業を展開している業者も実在するとのことです。

第二に、資金繰りに悩む中小企業や個人事業主が「すぐに現金が欲しい」と思うタイミングで、通常の金融機関では対応できないスピードや審査基準を武器にアプローチできるという点があります。この「切羽詰まったニーズに応える」姿勢は、かつてのヤミ金業者の営業スタイルとも共通するところがあり、あるコラムでは「金融弱者の心理に寄り添ったかのように見せながら、実は極めて不利な契約を結ばせている」ケースがあると指摘されています。

第三に、過去に金融業に携わっていた人間の中には、違法行為に手を染めていた者であっても、業界の実務知識やスキーム構築能力に長けた者が少なくないという点です。そうした人物がファクタリングに移行し、「これは貸金ではない」と主張しながら、旧来のノウハウを新しいビジネスモデルに転用している実態もあるようです。

もちろん、すべてのファクタリング業者がそうだというわけではありません。大手企業グループの傘下にある業者や、金融庁出身者が関与しているような法人であれば、法令遵守体制や透明性も高く、契約内容も明確です。しかし、検索広告に表示される小規模な業者の中には、資本金が極端に低かったり、登記上の所在地がレンタルオフィスだったりと、慎重な判断が必要なケースも多々あります。

ファクタリングを検討する際は、「貸金ではないから安全」と思い込まず、提供される契約書の内容を精査し、手数料が実質的にどの程度の年利に相当するのかを計算してみることが重要です。また、法人の登記情報や過去の行政処分歴などを調べることで、運営実態や代表者の経歴に違和感がないか確認するのも有効です。

最後に、業界全体としては適正な運用が望まれている中で、一部の業者がその信頼を損ねているという構図があります。制度としてのファクタリング自体は、本来健全な資金調達の一形態です。だからこそ、利用する側にも、提供する側の過去や背景だけでなく、「今どのような取引をしているのか」を冷静に見極める視点が求められているのではないでしょうか。