【2社間ファクタリングの「手数料10%は本当に安いのか?】

ファクタリングのトラブル

1 目を引く“10%”のからくり

「当社は手数料わずか10%」。ネット広告や資料請求サイトでこうしたキャッチコピーを見かけると、銀行の短期融資やカードローンと比べて割安に感じるかもしれません。しかし、この10%はあくまで30日以内の単発取引を想定した数字です。売掛金の回収サイクルが1か月という前提で資金を繋ぎ続ければ、毎月10%を支払い、事実上年12回転──単純計算で**年利換算120%**に跳ね上がります。複利効果を考慮すれば実効利回りはさらに高騰し、130%超に達するシミュレーションも珍しくありません。

2 銀行融資と比較すると一目瞭然

中小企業が銀行から短期資金を調達した場合、プロパー融資でも年利2~4%、ビジネスローンでも高くて年15%前後が一般的です。これに対し2社間ファクタリングの手数料10%は、1か月で元本の一割が減る構造──つまり銀行融資の30~60倍ものコストを負担している計算になります。しかも銀行利息は税務上「支払利息」として全額損金算入できますが、ファクタリング手数料は売掛金の譲渡損として処理するため、税効果でも分が悪い場合があります。

3 “債権売買だから利息ではない”という詭弁

業者は「売掛債権の譲渡なので利息制限法の上限は適用されない」と主張します。しかし実態は、資金を先に渡し回収時に元本+αを受け取る実質的な短期貸付の性質そのもの。金融の専門家によるコラムでも「経済的実質は貸金であり、10%/月ならヤミ金水準の金利」と指摘する見解が散見されます。法的抜け穴を利用しているだけで、利用者が負う負担は高利貸しと変わりません。

4 資金繰りを“常時ファクタリング”に依存する危険

10%で調達した資金を仕入れや給与に充当し、翌月の売掛金で返済──一見スムーズですが、売上が伸びなかった月や入金遅延が発生した瞬間に追加ファクタリングへ雪崩れこむ負のスパイラルが始まります。毎月10%を払い続けるうちにキャッシュフローは圧迫され、最終的には手数料を払うためにさらに高額の債権を売る状態──「回転ヤミ金」と同じ構造に陥ります。

5 “10%”を鵜呑みにしないためのチェックポイント

  1. 年利換算:手数料÷入金サイト×12=概算年利。10%なら10÷1×12=120%。
  2. 遅延ペナルティ:期限超過で追加手数料や違約金が上乗せされないか。
  3. 買戻し条項:債権未回収時に譲渡人へ全額請求する特約がないか。
  4. 将来債権の包括譲渡:次回売掛金も自動的に差し押さえられる条項に注意。

6 まとめ――見せかけの“割安”に惑わされない

月次10%は一瞬お得に見えても、年単位で見れば法外なコストです。資金ショート目前で「背に腹はかえられない」と感じても、まずは銀行の短期融資、信用保証協会付き制度融資、取引先への支払サイト交渉など、低コストの選択肢を検討するべきです。それでもファクタリングを選ぶなら、年利換算してなお許容できる水準かどうかを冷静に計算してください。「10%」の数字の裏には、資金繰りを麻痺させる高利の落とし穴が潜んでいます。