楽天銀行の法人向けウェブサイトに、「≪PR≫ファクタリングの割引率とは?…」と題してOLTA社による記事が堂々掲載されています。一見、利用者への啓蒙記事だが、その実態は“銀行がグレー商法を容認し、資本提携の信用を盾に「合法高利貸し」を演出している”に他なりません。
■ 銀行が勧める“借りない資金調達”の実態
楽天銀行×OLTAのPR記事では、ファクタリングが「借入ではなく、売掛債権の売買」「手数料制なので安心」と強調されています。しかし、実態はどうでしょう?
手数料が2~9%、あるいは10~30%などという文言が並ぶ中で、その金額の真の意味があいまいにされています。普段は「年利」という概念に慣れた視点でその負担を伝えてこそ、金融リテラシーの高い啓蒙と言えるはずではないでしょうか。
■ 手数料を年利換算すると…驚愕の実態
仮に手数料9%で30日間のファクタリングを行った場合、それは年12回繰り返すと**実質的に年利108%に相当します。一方、30日で10~30%の手数料がかかる契約ならば、それこそ年利360~1,080%**もの負担に匹敵します。これは明らかに出資法の上限(年109.5%)を超えるグレーゾーンかつブラック商法です。
にもかかわらず、楽天銀行はこの構造を「手数料の仕組み」と説明し、「借入じゃないから安心」という言葉を添える。これはもはや、合法の仮面をかぶった高利貸しを公然と推奨している行為といっていい。
■ 「売掛債権の売買」だから甘い?その欺瞞
PR記事では「ファクタリングは売掛債権の売買なので、利息制限法の対象外」と明記されています。確かに形式は商取引ですが、では「実質的に借金ではない」と言い切れるでしょうか?
実態は、売掛金を前倒しで現金化する手段であり、その背景には「返済義務を伴うスキーム」が隠されています。銀行は「融資とは違う」という表現ばかりを強調し、資金繰りに苦しむ中小企業への注意喚起を意図的に避けているように見えます。
■ 利便性の裏にある「後悔と破綻」
楽天銀行の記事でも、便宜性(手続き簡便・スピード)ばかりが強調される一方、以下のようなリスクへの明示は極めて控えめです:
- 売掛先への通知省略が信用毀損や契約破綻のリスクに転じる可能性
- 手数料が「実質金利」で100%、あるいは数百パーセントに相当する高負担
- 二重譲渡や契約トラブルに巻き込まれた際、自社の立場が極めて脆弱になる構造
なのになぜ、銀行はそれを「ゆっくり伝えるべきリスク」として扱い、PR記事としては「即時資金化・B/Sスリム化」を主張するのでしょうか。その姿勢は、金融倫理の欠如を示していると言わざるを得ません。
■ 銀行が降ろした“免罪符”──被害者は誰?
このような形で銀行が資本関係を活用し、2社間ファクタリングを推奨すると、中小企業は「銀行がやってるなら大丈夫」と信じ込んでしまいます。しかし本当は、「知らずに高利借金を繰り返していた」「思いがけず信用毀損されていた」といった状況が後から発覚することもしばしばです。
それでも銀行は、「貸金ではない」「自己責任」として全責任を利用者に転嫁する。これでは資本力と信用力を使って、実質ヤミ金を拡散させたに等しい。制度の隙をついた脱法形態の常態化にほかなりません。
■ 真に求められるのは「責任ある啓蒙と制度改革」
銀行が本当の意味で信用を守る覚悟があるなら、次の三つに踏み込んでほしい:
- 手数料の年利換算例を明示すべき:ユーザーに実態を直視させる情報開示は金融教育の基本。
- リスクの丁寧な説明:「通知省略」「手数料累積」「二重譲渡」等の構造問題をおおっぴらに記載すべき。
- 制度整備を働きかける姿勢:金融庁・警察に突破口を求める立場をとるべきで、自己利益だけを強調するのは放棄に等しい。
これらに率先すべき責任を放棄するなら、銀行は「信用の盾」ではなく、「信用を悪用する装飾」になり果てる。
■ 結語:金融機関は“利便性の毒”を自覚せよ
楽天銀行のPR記事は、初心者向けの理解を促す表面を漂わせながら、実質は高利貸しのマーケティングです。中小企業の孤立と資金繰りの急所につけこみ、便利さを餌に高額手数料を取る構造は、まさにヤミ金の手口と共通しています。
銀行が果たすべきは、“利益を出すこと”だけではありません。信用を掛けたスタンス=透明性、責任、被害防止がセットでなければ、本当の金融機関とは呼べない。楽天銀行には、今こそ本当の「信頼構築」のために、脱法スキームへの加担ではなく、制度改革と情報公開に踏み出してほしい。

