■「債権譲渡」の仮面をかぶった高利貸し──2社間ファクタリングを国家ぐるみの構造的詐欺として告発する

ファクタリングの違法性と契約について

はじめに──法の穴に棲む者たち

「ファクタリングとは、企業が有する売掛債権等を買い取ることにより、資金を提供するサービスをいいます。」(ある弁護士のQ&Aより)

この「売掛債権を買い取る」という文言に、どれだけの中小企業経営者が救いを求め、そして地獄に突き落とされたか。
2社間ファクタリングは、形式としては合法の債権譲渡取引を装っているが、実態は法の目をかいくぐった「合法ヤミ金」そのものである。

問題は、これが単なる金融トリックにとどまらず、行政・司法・法律専門家たちまでもが黙認することで、半ば国家公認の詐欺スキームとなっている点だ。以下、この構造を徹底的に暴いていく。


第一章:弁護士が差し出す「毒入りの水」

「秘密裡に資金調達ができるため、利用者にとってはメリットがあるとされています。」(弁護士Q&A)

弁護士がこのような言葉を軽々しく語ることに、強い憤りを覚える。
「秘密裡」であることが、どれだけ取引の透明性を損ない、信用を毀損し、利用者を法的にも社会的にも孤立させるのか。むしろこの”秘密性”こそが、2社間ファクタリング最大の凶器である。

「ファクタリングの場合には、その適用がなく、著しく高額の手数料率が設定されている場合もあります。」(同上)

「場合もある」ではない。むしろ「ほとんどのケース」である。多くの2社間ファクタリング業者が請求する手数料は、10〜30%が一般的で、実質年利換算では数百%に達する。これを「貸金」ではなく「売買」と言い張ること自体が、法律を愚弄する論理のすり替えである。


第二章:契約条項の実態──リスクは全て利用者へ

以下、実際に出回っているファクタリング契約書の条項から抜粋する。

「譲渡債権について、第三債務者からの支払いがなされない場合、譲渡人は遅滞なく当該債権相当額を買戻すものとする。」

この一文だけで、債権譲渡という名目が崩れる。
真の債権譲渡とは、リスクを譲受人(業者)が引き受ける取引である。にもかかわらず、「支払われなければ買戻せ」と定めている時点で、それはリスク移転のない「見せかけの売買」、すなわち担保付き貸付に他ならない。

さらに悪質な例では、

「譲渡債権の回収業務は、譲渡人にて実施する。回収が困難な場合、譲受人に事前に通知の上、自社資金により清算を行うこと。」

要するに、「債権はウチが買い取るが、取り立てはあなたの責任。もし取れなかったら、あなたの金で払ってね」と言っているのだ。これは契約の自由の範囲を超えて、明白な脱法行為である。


第三章:金融庁の「警告」は何の歯止めにもなっていない

金融庁は過去に何度かファクタリング業者に対する注意喚起を出している。たとえば、以下は2020年7月の金融庁公式サイトよりの抜粋である。

「ファクタリングと称して、実際には債権譲渡契約を装った貸付行為が行われているケースが散見される。高額な手数料が徴収されており、実質的には貸金業法の規制を潜脱している可能性がある。」

しかし、この「可能性がある」という表現がすべてを物語っている。
行政はこの問題を「承知している」が、「手を出さない」。登録制すらない現状では、金融庁はファクタリング業者に対する業務停止命令も、罰金も課すことができない。行政の責任放棄は明白である。


第四章:司法の形式主義──「契約書があるから合法」?

実際に民事訴訟で争われたケースでは、驚くべき判決が出ている。

「債権譲渡契約書に基づき、債権は譲渡されていたものと認められる。よって、譲渡人の買戻し義務は有効である。」

このように、契約の外形だけを見て、取引の実態を見ない裁判官が多数を占めている。
形式主義が、ファクタリング業者の合法性を担保してしまっている構造は、司法の怠慢とすら言える。

判決の多くは、債権譲渡が「見かけ上でも成立していれば」内容に踏み込まず、利用者側が被害を訴えても「同意したはずだ」と切り捨てる。このような裁判所の態度が、グレーゾーンビジネスを「白」と見なしてしまっている。


第五章:被害者は経営者だけではない

ファクタリング地獄に陥る経営者の末路は、経済的な破綻だけではない。自宅を売却し、家族はバラバラになり、精神疾患を抱える例も珍しくない。しかも、こうした経営者が警察に駆け込んでも「契約してるんだから仕方ない」と相手にされない。

実際、ある中小建設業の社長はこう語っている。

「最初は3割の手数料で200万円。翌月も同じように依頼したら、手数料が5割に上がっていた。支払いができず、夜中に業者が来るようになった。」

これは単なる金銭トラブルではなく、名を変えた金融的暴力である。2社間ファクタリングは、明らかに社会秩序を壊している。


結語:この国の法は誰を守っているのか

2社間ファクタリングの本質は「制度の皮をかぶった搾取」である。
これを「契約だから自己責任」と言い放つ弁護士、対応を曖昧にする金融庁、そして契約形式に逃げる裁判所。いずれも、「弱者を守るべき立場の者が、強者の詭弁を容認している」構図である。

このままでは、2社間ファクタリングは、今後も「合法の衣をまとった詐欺」として増殖を続ける。今こそ必要なのは、

  • ファクタリング業者の登録義務化と監督制度の導入
  • 実態が貸金であると認定された場合の厳罰化
  • 弁護士会による悪質契約条項の明示的批判と是正指針
  • 裁判所における形式主義からの脱却と被害実態の認定

これらの実現なくして、真に健全な資金調達市場など成立するはずがない。今、我々が見ているのは資本主義の進化ではなく、「規制なき金融資本主義の暴走」である。2社間ファクタリングの規制強化は、単なる金融政策ではなく、国家の倫理と社会正義の再確認に他ならない。