「売掛債権を売却するだけです。貸金じゃありませんから、利息制限法も貸金業法も関係ありませんよ。」
このような「巧妙な言葉遊び」によって、いま中小企業を食い物にしている金融スキームがある。そう、それが2社間ファクタリングだ。表面上は債権譲渡契約に見えるが、実態は単なる高利貸しにすぎず、しかも法の抜け穴をくぐり抜けて“合法”を装っている。
本稿では、2社間ファクタリングという制度の虚構と、その背後に潜む構造的な搾取を徹底的に明らかにしたい。
「債権の売買」だと言い張る仕組みの裏側
ファクタリング業者は、自社と取引先との間で発生した売掛債権を「買い取る」ことで、資金を先払いする──というのが表向きの仕組みである。
しかし、2社間ファクタリングには致命的な欠陥がある。それは、売掛先に通知されないという点だ。
これは何を意味するか?
実際には売掛債権は譲渡されておらず、回収は依然として譲渡人(=借り手)が行う。そのためファクター(=貸し手)は、貸し倒れリスクをほとんど負っていない。実質的には、債権という「モノ」を担保に取って資金を貸し付けているのと同じ構図である。
これはもはや「債権売買」などではない。単なる偽装貸付、すなわち“合法ヤミ金”そのものである。
利息制限法も貸金業法も「関係ない」? 本当にそうか?
ファクタリング業者は口を揃えてこう言う。
「うちは貸金業じゃないので、利息制限法も関係ありません」
しかし、それが真っ赤な嘘であることは、すでに裁判所の判断でも明らかになりつつある。
たとえば、2社間ファクタリングで手数料として年率換算で**50〜80%**にもなる負担を課していた事例で、裁判所はその実態を「実質的な貸付である」と認定。利息制限法に基づき違法な高利と判断したケースも出ている。
つまり、「債権売買だから貸金じゃない」という理屈は、法的にも破綻しているのだ。
「困っている企業を助けている」などという欺瞞
さらに悪質なのは、ファクタリング業者の被害者ビジネス的なレトリックである。
「銀行に断られた中小企業に資金調達のチャンスを与えている」
「債権売却でキャッシュフローを改善できる」
──そのような美辞麗句を並べるが、実態は資金繰りに困窮した中小企業を高手数料で締め上げる構図である。これは弱者救済ではなく、弱者収奪だ。
支払いが滞れば、ファクターは即座に「債務不履行」とみなし、訴訟・差押・信用毀損に動く。契約書には「買取金返還義務」や「違約金」「損害金」が盛り込まれており、実質的には借金よりも厳しい追い込みが待っている。
なぜ、規制されないのか?──グレーゾーンの温存と行政の怠慢
最大の問題は、この制度が法的に明確に規制されていないことだ。ファクタリングは金融業に該当しないため、金融庁の登録も不要。そのため、実質的な無認可金融業者が堂々と営業しているのが現状である。
では、行政はなぜ放置しているのか?
理由は明白だ。ファクタリングは**法的な定義が曖昧な“グレーゾーン”**にあり、明確な規制をかけるためには立法上の整備が必要だが、そこに政治的意思がない。裏を返せば、既得権益の温存と、弱者に対する無関心がこの構造を支えているということに他ならない。
結論:「法の抜け穴」を使った経済的暴力を見過ごすな
2社間ファクタリングは、形式を装った合法を名乗る詐欺的金融である。
- 法の不備を利用し、
- 弱った中小企業を狙い撃ちにし、
- 「債権売買」の名で高利をむしり取り、
- しかも公的規制がほぼ皆無。
これは資金調達の自由でも、救済でもない。金融を装った経済的暴力であり、「合法ヤミ金」と断じるべきである。
私たちに求められているのは、この構造的搾取を「仕方ない」「うまくやれば助かる」として見過ごすのではなく、根本から制度を問い直し、規制と法改正を強く求めることである。

