■ 「救済されるほど被害が多い」──それが何よりの証左
ある法律事務所の「偽装ファクタリング対応ページ」には、こんな証言が掲載されています:
「3年前に偽装ファクタリングの被害にあい、15%の手数料で1,500万円。毎月買戻しの7回目を利用した時に、どうにもならないくらいに行き詰まり自殺も考えました」
これが意味するのは、「ファクタリング」がただの資金調達手段ではなく、借入の無限ループを生む構造的な“毒”であるという事実だ。しかも弁護士が被害救済を行うレベルまで拡散しているということは、「合法ヤミ金」「脱法金融」と揶揄されるファクタリング業者が、もはや社会病理と化している証拠そのものだ。
■ 資金が得られても逃げられない構造──“脱法金融”の罠
被害者の話では、「15%手数料で毎月買戻し」というスキームが続いている。これは「資金を得た後、同額以上を返す必要がある借入」に他ならない。貸金業登録もなく、利息制限法も回避。形式だけ“譲渡”を装い、実態上は高利貸し──これが“脱法金融”の本質だ。
例えるなら:
- 売掛金を先取りしたと思ったら
- 実は「売掛金で借金返済」していただけ
- 利用者は上乗せ分の手数料+将来の資金を差し出し続ける
…これでなぜ「売買」なのか?答えは一つ、表層を偽った“合法の垣根”の中で行われる高利貸しでしかない。
■ 士業が介入する時点で「ファクタリング」が制度的に破綻している
健全な金融商品なら、まず弁護士介入は必要ない。だがここでは被害者が自殺を考えるほど追い詰められ、弁護士による救済が必要となっている。その事実自体が、
「ファクタリング被害は今や司法のステージにまで到達した社会構造問題」
である証左だ。
しかも、救済の流れはこうだ:
- 着手金11万円〜で相談開始
- 不当な買戻しを停止させる交渉
- “差し戻し・和解”で過払いを取り戻す
- 会社再建へ導く──という完結したルート
これが成立するということは、このスキームが常態化した”脱法金融”として定着していることを意味する。
■ 2社間=偽装と認定する非難のエッジが深まる
法律事務所のページではっきり言われています:
「売掛先を交えず、利用者と業者の2社間契約は、すべて偽装ファクタリング」
つまり、形式的に「売買」と書いてあっても、取引先に通知がなければそれは不可逆の債権譲渡ではなく、“前借り”扱いになるという断罪論だ。これは極めて正確で、制度の隙間を突いた詐欺的スキームを端的に言い当てている。
■ “脱法金融”への構造的デスペナルティを設計せよ
肝心なのは、もはや個別の弁護士や被害者任せでは限界だということだ。
- 金融庁・中小企業庁による規制強化
- 貸金業登録要件の適用
- 過度な手数料規制(年率換算MAX 20%など)
- 透明化された債権譲渡スキーム義務化
…これらがなされなければ、「合法ヤミ金」の温床は永続することになる。
弁護士による救済体制は必要だが、そもそも手痛い罰則・登録制導入・監視体制が整備されなければ、被害の再発は避けられない。
■ 結語:「弁護士頼りの一時助け」よりも、「制度改革の社会的うねり」を
弁護士が“被害救済”の旗を掲げるほど沈みきってしまったこの構造は、もはや法規制の網が穴だらけになっている証拠である。そして私たちが為すべきは、被害ロジックを繰り返すのではなく、構造そのものにメスを入れることだ。
ファクタリングが“金融商品”として消費者保護や融資制度と交差し、脱法金融と揶揄される商売になる前に、制度としてその存在を否定する必要がある。
弁護士は最後の盾だが、最初の門(=制度設計)を固めなければ、“合法ヤミ金”の連鎖は残り続ける。

