最近また、新手の2社間ファクタリング業者が、派手なリスティング広告を打ち始めています。
キャッチコピーはこうです。
「最大3億円まで即日買取!」
「業界最安水準、手数料2%〜!」
「審査スピード最短30分!」
一見すると、資金繰りに悩む中小企業の救世主のように見えます。
しかし、この言葉に騙されて飛びついた瞬間、あなたは“合法ヤミ金”の地獄へ片足を突っ込むことになるのです。
1. 最大3億円?――現実離れした謳い文句の正体
「最大3億円まで対応可能」と書かれると、「大口案件にも強いんだ」と錯覚してしまいますよね。
でも考えてください。
中小企業向けの2社間ファクタリングで、3億円クラスの売掛債権を扱える業者など、まず存在しません。
なぜなら、3億円規模の売掛金を保有する企業であれば、普通は銀行融資や信用保証協会を使います。
わざわざ手数料10%前後も取られるファクタリングを選ぶ理由がないのです。
結論として、こうした業者が3億円と謳うのは、ほとんどが釣り文句。
実際の取り扱い上限は1,000万〜2,000万円程度が限界で、それ以上は「一応審査しますが…」と時間稼ぎをするか、追加条件を突きつけて引き延ばすケースがほとんどです。
2. 手数料「2%〜」という美辞麗句のカラクリ
次に「業界最安、手数料2%〜」という文言。
これはもはや“広告トリック”の代表例です。
現実的な相場はこうです:
| 売掛金額 | 実態の手数料率 | 年利換算(単利) |
|---|---|---|
| 100万円前後 | 25%前後 | 約300% |
| 300万円前後 | 15%前後 | 約180% |
| 500万円以上 | 10%前後 | 約120% |
この現実を見れば、「2%〜」がいかに非現実的かわかりますよね。
たとえ最上級の優良案件でも、実質8%を切るのは不可能です。
さらに悪質なのは、「2%」と謳いながら、実際にはこういう仕組みで総額を膨らませてくるパターンです:
- 初回限定で一部だけ2%に設定し、次回以降は15%
- 振込手数料や管理料など“別名目”で追加請求
- 即日入金オプションでさらに+5%
- 「リスク料」名目での上乗せ
最終的には**実質15〜25%**が相場。
つまり「2%」はエサでしかなく、釣られて飛びついたら最後、待っているのは法外なコストです。
3. 年利換算で見える「合法ヤミ金」の正体
広告では「手数料だから金利ではない」と主張しますが、実態はほぼ同じ。
たとえば100万円の売掛債権を、毎月1回転させて25%の手数料で回した場合、年利換算すると**約300%**に跳ね上がります。
つまり、出資法で定められた上限金利(年20%)を大幅に超える水準でお金を動かしているのです。
「貸金じゃないから規制外です」という理屈を盾にしていますが、これを“合法”と呼ぶには無理があります。
実態はただの合法ヤミ金です。
4. 「審査通過率90%超」も、安心材料ではなく警告サイン
こうした広告では「審査通過率90%」「最短30分」など、審査の緩さをアピールするパターンも多いです。
でもこれ、裏を返せばこういうことです:
- 誰でも審査通過=リスク無視の薄い与信
- リスクが高い分、手数料でガッツリ回収
- 滞納すれば一気に債権回収モード突入
結果、契約時には笑顔でも、延滞が起きた瞬間、態度は一変します。
しかも2社間契約の場合、売掛先にバレない代わりに、最終的には利用者自身が責任を背負うことになる。
“便利”の裏側には、想像以上に厳しい現実が待っているんです。
5. 結論:数字に釣られるな、冷静に見抜け
「最大3億円」「手数料2%」「審査90%」「即日入金」――これらのワードが並んだら、まず疑ってかかるべきです。
特に、2社間ファクタリングでこの水準を本当に実現できる業者は存在しないと断言していいでしょう。
- 実際の上限額は、せいぜい数千万円レベル
- 手数料は最低でも10%、多くは15〜25%
- 年利換算すれば、実質300%近い超高利負担
つまり、こうした広告は「困っている経営者をターゲットにした心理的トラップ」なんです。
まとめ
資金繰りに困ったときほど、こうした「甘い数字」に飛びつきたくなります。
でも、現実は広告ほど優しくありません。
“2%”や“3億円”という言葉は、弱った経営者の目を奪うための餌であり、契約書の細部を見た瞬間、あなたはその代償を思い知ることになるのです。
ファクタリングは使い方次第で資金繰りの助けになります。
しかし、幻想を売る業者に手を出せば、一瞬で合法ヤミ金の餌食。
「そんなはずじゃなかった」を防ぐ唯一の方法は、数字の裏側を見抜くこと。
それが、資金繰りを守る最大の防御策です。

