ファクタリング「2%〜」──ヤミ金が何を言うか

ファクタリングのトラブル

新たにリスティング広告を打ち始めた某ファクタリング会社。ページを開けば、「最短1時間」「審査は書類3点だけ」「業界最安水準2%〜」という、耳障りだけは良いフレーズが並ぶ。だが、冷静に見てほしい。これは「助け舟」でも「金融イノベーション」でもない。実態は合法ヤミ金・脱法金融の宣伝文句にほかならない。


「2%〜」という虚飾

金融の世界で「〜から」という表現ほど危ういものはない。「2%から」という文言を見て「本当にそんな低コストで回せるのか」と疑わない人間はいないだろう。だが、実態はどうか。条件が最も良い企業、売掛先が大手、取引履歴が長期安定、しかも額もまとまっている──そんなごく一部のケースだけを切り取って提示しているのだ。つまり、ほぼ誰も手にできない「夢の数字」を看板に掲げている。現実の利用者が手にするのはその何倍ものコスト。これを「透明性のある金融サービス」と呼ぶのは笑止千万だ。


「最短1時間」=チェックを放棄すること

「最短1時間で資金調達」という言葉は、スピードを売りにしているようで、実は「審査をろくにしていない」と言っているに等しい。通常の銀行融資や正規の金融は、取引先や返済能力を徹底的に精査する。それが健全な金融の最低条件だ。しかし、ここでは「赤字決算OK」「税金滞納でも利用可能」とまで謳っている。これはつまり「リスクのある相手でも、とにかく手数料を抜ければ良い」という発想だ。健全な融資の補完ではなく、金融の安全網の外側に落ちた事業者を狙い撃ちにしている。正規金融が貸さない相手にカネを回す、その姿はヤミ金以外の何物でもない。


「審査書類3点だけ」=縛るのは契約後

「書類が簡単」「手続きが楽」という触れ込みは、利用者にとって一見ありがたい。だが、忘れてはならないのは、その分の負担が契約後に跳ね返ってくるということだ。十分なチェックもなく「すぐ出します」と言われた資金は、後で膨大な手数料と条件変更で回収される。つまり、審査が緩いのではなく、回収方法が強固に組まれているだけの話。売掛金をがっちり押さえられ、事実上の人質を取られる。その構造を理解せずに「書類3点だけ」に飛びつくのは、カモがネギを背負って飛び込むのと同じだ。


「救済」の顔をした収奪

特に問題なのは「赤字決算OK」「税金滞納OK」とわざわざ明記している点だ。これは一見「救済」に見える。しかし裏を返せば、正常な金融では相手にされない層を狙っているに過ぎない。救済どころか、追い詰められた経営者にさらに高コストの契約を飲ませ、抜け出せない依存構造に落とし込む。それを「資金調達の新しい形」と言い張るのは、もはや詐術に近い。困窮者に寄り添うふりをした収奪モデル、それがこの手のファクタリングの正体だ。


「合法ヤミ金」構造の危うさ

これらの特徴を総合すると、ここに見えるのは合法ヤミ金の構造である。形式的には「売掛債権の譲渡契約」であり、貸金業法の枠外にあるため違法とは言い切れない。しかし、実質的には高利で資金を回し、担保代わりに売掛金を差し押さえる脱法金融そのものだ。銀行融資の補完を装いつつ、実態は法の隙間を縫った資金回収スキーム。そこに「業界最安水準」「スピード審査」といった甘言を重ねるのは、ヤミ金のキャッチコピーと大差ない。


道義的責任を問う

このような広告を正々堂々とリスティングに流すこと自体、道義的責任を欠いている。広告費をかけて露出を増やし、検索上位に自らを表示させる。表面上は「合法」だから問題ないと言うかもしれない。しかし、救済を装いながら依存と収奪の罠に引き込む構造を宣伝するのは、まさに「脱法金融」の典型である。消費者金融ですら法定金利で戦っている時代に、このようなモデルを「成長市場」と美化してよいのか。少なくとも社会的評価はヤミ金と変わらないはずだ。


結論:2%? 笑わせるな

結局、この種の広告が訴えているのは「あなたが困っているなら、今すぐ手を出せ」という短絡的な誘導でしかない。だが、その裏には、出口のない高コストの構造が待っている。「業界最安水準2%〜」と誇らしげに掲げるが、現実には誰一人としてその数字で救われることはない。ヤミ金が「低利だ」と叫んでいるのと同じ構図なのだ。

企業が本当に再建を目指すなら、短期の資金繰りよりも、構造的な経営改善や正規の金融支援を優先すべきである。リスティング広告で見かける甘言に惑わされるな。そこにあるのは「安心」ではなく「合法ヤミ金の罠」だ。