「医療福祉特化・手数料0.3%~」と謳うファクタリング広告の裏側

ファクタリングの違法性と契約について

早さと低コストを叫びながら、契約の中身は冷たい現実

「医療・介護事業者に特化」「手数料0.3%から」「最短数日で入金」――
そんな文言を掲げるファクタリングサービスが、近年目立ってきた。
だが、言葉の魅力に惑わされ、契約書の中身を確認せずに飛びつくことは、リスクそのものだ。
以下、広告文句を逐一分解し、経営者が“今すぐ突っ込むべき”ポイントを挙げる。


①「特化」「医療・介護・福祉」に隠された片面

「医療介護特化」をうたうことで“安心・専門”のイメージを演出している。
しかし、安心だからといって契約条件が甘いわけではない。むしろ、

  • 債権が支払基金等からという“回収可能性が高い”と見られる案件に絞られている=反面、条件が厳しくても成立しやすい
  • 手数料や契約期間が“専門領域だからこそ”業者側が有利に設定できる余地がある

要するに「特化」の名を借りた“条件隠し”の可能性を疑え。


②「手数料0.3%~」の落とし穴

0.3%という数字が小さいために「安い!」と思い込むが、実際の見積りは別。

  • “~”は最低値であり、対象債権・期間・信用状況によって大きく変わる
  • 短期契約で月30%といった手数料が提示されず、“年間換算”にすると非常に高利に

経営者として即突っ込むべき質問:
「この0.3%という数字は何ヶ月何年の契約での適用か?年率換算にするとどうか?返還義務や遅延金はどうか?」


③「最短数日で入金」「来店不要」の罠

「最短で数日」「来店不要」という文句は確かに魅力的だ。だが背景を知れ。

  • 来店不要=書面確認・対面確認が省略される可能性あり → 契約の慎重性が落ちる
  • “最短数日”という言葉は、条件が非常に限られている場合しか実現しない可能性あり。

また、急ぎで資金化するほど、手数料・条件が厳しくなる傾向あり。
この種の広告文句が出てきたら、“安易な資金化”のリスクを正面から考えなければならない。


④「安心・グループブランド」の安心神話

広告では、「上場企業グループの事業会社」「ブランド統一」「専門コンサルティング併設」など信頼感を演出している。
しかし、信頼ブランド = 契約条件が優しい、というわけではない。
むしろ、ブランドを活用して“契約誘導”を強める戦略ともなり得る。
重要なのは、ブランドを信じる前に契約条項の透明性を確保することだ。


⑤「2社間/3社間」の区別に甘さあり

広告ではあまり「2社間か3社間か」という区分を強調しないが、これが契約の重大なポイントである。

  • 2社間方式:売掛先に通知せず、業者が買取。即時性ありだが、信用リスク・二重譲渡リスク・返還義務付きの可能性あり
  • 3社間方式:売掛先が承諾。手数料が低くなる傾向あり。

「特化」「即日」などを前面に出す業者では、2社間方式を採用している可能性が高い。契約前に必ず方式を確認し、2社間のリスクを把握せよ。


⑥ 契約書/返還義務/遅延損害金の開示不足

広告では「借入ではない」と言いながら、契約書には返還義務・遅延損害金・違約金の条項が存在するケースがある。
次の点をチェックせよ:

  • 返還義務があるか。あるならその具体的事由は何か。
  • 遅延損害金の年率・計算式は明記されているか。
  • 売掛先の支払が遅れた場合、事業者が代位弁済義務を負うか。
  • 手数料・違約金は「月率」「年率」「複利換算」で見られるか。

書面で示されていなければ、契約は見送るべきだ。


総括:言葉に踊らされず、条文に目を通せ

広告の文言は“魅力的な誘い”だが、契約書の一行が現実の重みを持つ。
「特化」「最安」「即日」という短い言葉に惑わされ、「低コスト」「スピード化」を前面にした提案ほど慎重に検証せよ。
言葉は甘くとも、契約の中身は冷たい。
契約前に数点の質問を投げ、納得できなければ即撤退が賢明だ。