「最短即日」「オンライン完結」「全国対応」。資金繰りに悩む経営者の耳に甘い言葉だ。しかし、その裏で待ち受けるのは、法の網をかいくぐった“合法ヤミ金”構造である。今回は、アンボルFSとレバンタを例に、脱法金融の実態を徹底的に解説する。読者はこれを読めば、契約前に深呼吸せざるを得ないはずだ。
1. 表向きは合法、実質は高リスク金融
ファクタリングは法律上「売掛債権の売買」として扱われ、貸金業法の規制を受けない。これが表向き「合法」の所以だ。しかし、実質は資金を貸しているのと同じ構造である。
- 高額手数料:売掛金を買い取る名目で、短期間に15~20%以上の手数料を設定
- 償還請求権付き契約:売掛金が回収できなければ利用者が追加入金を迫られる
- 年率換算すると、短期で90%以上の利息負担になることも珍しくない
つまり、法律上は債権売買でも、経済的には「超高利貸し」のリスクそのものである。これがまさに 脱法金融の典型例 だ。
2. 会社情報の不透明さ
両社とも公式サイトには会社情報が掲載されているが、ページによって住所が異なる、設立年が不明確、問い合わせ先が複数ある、といった不一致が見受けられる。
- 登記情報で確認できる会社名・所在地とサイト情報の差異
- 設立から日が浅い新興企業であることによるトラブル対応力の不足
こうした不透明さは、契約後に問題が発生した際、対応や回収が困難になる可能性を示唆する。
3. 手数料と実質コストの恐怖
仮に売掛金100万円、手数料15%、支払期日60日で契約した場合、年率換算は次の通り:
15% × (365 ÷ 60) ≒ 91%
短期資金を繰り返し現金化すると、年間利率は法定利息のはるか上に達する。このような数字を前にすると、表向きの「便利さ」に飛びつく判断がどれほど危険かがわかる。
4. 契約書の落とし穴
- 償還請求権の有無
- 延滞や違約時の手数料・ペナルティ
- 契約解除条件
こうした文言を確認せず契約すれば、売掛金を失うだけでなく、追加支払い義務に追われる可能性がある。契約書の隅々まで目を通し、必要であれば弁護士や専門家に確認することが不可欠だ。
5. Webマーケティングの罠
両社はコラムや解説記事を多数掲載しており、教育コンテンツの体裁をとっている。しかし、内容はあくまで 個別見積もりへの誘導 であり、条件の不利さを目立たなくする効果がある。読み手は情報に安心感を抱きがちだが、実際の契約内容は完全に別物である。
6. 実務チェックリスト
契約前に最低限確認すべき項目を列挙する:
- 登記情報とサイト情報の一致
- 手数料の明示(%表示必須)
- 償還請求権の有無
- 延滞時の追加費用・ペナルティ
- 契約解除条件の明文化
- 複数社との相見積もりによる比較
- 年率換算による実質コスト確認
これを無視すると、合法の体裁をかぶった“脱法金融”にあっという間に飲み込まれる。
7. まとめ
アンボルFSもレバンタも、表向きは合法ファクタリング業者だ。しかし、高額手数料、償還請求権、短期入金といった条件は、実質的に金融と同じリスクを内包している。つまり、合法ヤミ金=脱法金融そのものだ。
契約前には必ず数字を計算し、契約書の隅々まで確認し、複数業者と比較すること。華やかな広告や即日入金の甘い言葉に惑わされてはいけない。経営者が必要なのは「安心感」ではなく「現実の数字」と「契約書」である。

