「アフィリエイトサイトから始まった悪夢」
私の名前は桶谷隆司です。42歳で、都内で軽貨物の配送業を営んでいます。従業員はいません。すべて自分一人で運転して仕事を回しています。下請けばかりで仕事は途切れませんが、入金まで60日もかかるため、手元資金は常にギリギリでした。燃料代や車検代、タイヤ交換などの出費は容赦なくやってきて、請求書の支払いを終えるころには、次の資金が足りないことも珍しくありませんでした。
ある日、スマホに広告が流れました。「請求書を即日現金化!審査最短30分」と書かれており、上場企業運営と体験談も掲載されていました。どこか安心できそうに見え、私は半信半疑ながらクリックしました。フォームに必要事項を入力し、免許証や請求書、取引先とのメールを提出するのですが、思ったよりも手間がかかり、準備には丸二日ほどかかりました。
翌日、入金されました。金額は30万円から80万円の範囲で、手数料は30%でした。「急ぎだし、仕方ないか」と思ったのですが、念のため利息を計算してみると、実効金利は間違いなくヤミ金レベルでした。最初は数十万円の手数料くらい大したことないと思っていたのですが、2回目、3回目と繰り返すうちに、手元資金はすぐに回らなくなり、資金繰りが悪化していくのが自分でもわかりました。
さらに悪夢は続きます。提出した請求書や取引先情報は、広告代理店や別の業者に流れていたようで、知らない番号やメールから連絡がひっきりなしに届きました。手数料の説明も曖昧で、「契約書通りです」としか返答がありません。支払期日が迫ると、催促の電話があり、取引先への説明も自分で行わなければならず、精神的に追い込まれました。夜も眠れず、頭の中は資金繰りのことでいっぱいになり、仕事に集中できない日々が続きました。
結局、半年後には下請けとしての信用を失い、廃業せざるを得ませんでした。資金が尽きたわけではなく、請求先との関係が破綻していたのです。あの広告をクリックした日から、私の生活は大きく変わってしまいました。「合法だから安心」という言葉は、何の保証にもならないのだと痛感しました。便利さの裏に潜むリスクは、身をもって体験して初めて理解できるものです。
振り返ると、最初のクリックは軽い気持ちでした。無料相談だと思っていたものが、実際には私の個人情報と資金情報を吸い上げ、知らぬ間に借金の連鎖に巻き込まれる入り口だったのです。あの時、誰かが止めてくれていたらと何度も思います。しかし、知識も経験もない私が、容易に信用してしまったのも事実です。今はもう二度とそのようなサービスは利用しません。同じ立場のフリーランスや小規模事業者に、便利そうに見えるサービスの裏に潜むリスクを伝えたいと思います。

