「比較サイトの向こう側で」
最初に見たのは「請求書買取サービスおすすめランキング」という記事でした。
広告っぽくも見えず、SEOの上位に出てくるから、どこか信頼できる気がしたんです。
「手数料最安」「最短即日」「審査通過率98%」。
疲れた頭でスクロールしているうちに、気づけば比較表の一番上にある業者の「無料相談」ボタンを押していました。
当時、私は都内で小さなコンサル業を営んでおり、顧客の支払いサイトが長くてキャッシュフローに詰まっていました。
銀行融資は時間がかかる。カードローンも限度額いっぱい。
そんなとき「金融ではなく請求書買取」という言葉が、妙に安心感をくれたんです。
借金ではない。だから大丈夫だと、自分に言い聞かせました。
送信フォームには、請求書の金額や取引先の情報を細かく入力。
翌日には担当者から電話があり、「審査はスムーズですが、追加で通帳の写しと免許証をお願いします」と言われました。
メールでやりとりしながら、3日後には入金。
請求書は50万円、入金は35万円。手数料30%。
初回だから高いのだと思いました。
しかしその後、紹介サイトから「別の業者ならもっと安い」とメールが届いた。
紹介リンクを辿って別の業者に申し込むと、また同じように個人情報や請求書データを求められ、
結局どこも手数料は20〜30%前後。
しかも利用した直後から、知らない電話番号やメールで「新しい資金調達」「事業者向け即日キャッシュ」などの案内が殺到しました。
私はその時初めて、自分の情報が「商品」になっていると気づいたのです。
それでも最初の入金スピードに依存してしまい、気づけば3回目の利用。
手数料負担が積み重なり、回収までのサイクルが狂い、気づけば資金繰りは逆に悪化していました。
請求書を売れば売るほど、手元資金が減る。まるで逆ローン地獄です。
それでも担当者は、「次はもっと好条件にできますよ」「信用が積み上がってます」と甘い言葉をかけてくる。
結局、最後は請求書の一部を売っても支払いが回らず、顧客への納品にも影響が出て取引停止になりました。
数ヶ月後、比較サイトの運営元を調べると、それが実際には広告代理店のアフィリエイト事業部であることがわかりました。
つまり私が「選んだ」と思っていたのは、広告枠に誘導された結果でしかなかった。
「中立的に比較している」と信じていたのに、報酬目的でランキングを操作していたのです。
いま振り返れば、あのランキング記事こそ最大の罠でした。
「おすすめ」「人気」「即日」という言葉が、信頼を装う巧妙な仮面。
実態は、利用者を次々に高手数料業者に送り込む情報回収ビジネス。
そしてそこから漏れ出た情報が、次の広告の「リスト」として再利用されていく。
私は今、同じような被害に遭った事業者たちと連絡を取り合い、情報を共有しています。
自分の失敗を誰かの警鐘に変えられるなら、それがせめてもの償いだと思っています。
「比較サイト」や「おすすめランキング」という言葉の裏側に、
人の苦しみをデータに変える冷たい仕組みがあることを、もっと多くの人に知ってほしいのです。

