【寄稿】“AI審査の光と影” 第5回

ファクタリングの違法性と契約について

第5回:合法ヤミ金の手口徹底解析 ― 倒産者を取り巻く危険金融マップ


■ 倒産者は孤立した狩り場に立つ

 高橋雅也(仮名)の会社は倒産した。
 だが、それは単なる経済的損失ではなかった。
 倒産者は社会的に孤立し、金融のルールや制度からも距離を置かれる。
 この状態を、危険金融業者は絶好の狩り場として狙う。

 現れるのは「再建支援」「信用回復プログラム」「再起コンサル」といった名称。
 形式は合法の範囲内だが、その実態は巧妙な収奪構造である。


■ 手口1:契約書の迷路 ― 法の抜け穴を突く

 ある再建コンサルは、表面上「コンサル料」として料金を請求する。
 しかし契約書を読み解くと次のような条項がある。

  • 成功報酬:資金調達額の30%
  • 管理費:月7万円
  • 途中解約違約金:50万円
  • 顧問契約更新費:年35万円

 表面上は合法の業務委託契約だが、実質的には利息に近い金銭請求である。
 金融庁が規制する貸金業には当たらないため、摘発されない。
 倒産者は「再起のため」と契約せざるを得ず、結果として合法ヤミ金の被害者になる。


■ 手口2:情報の吸い上げ ― 弱みを掌握する

 契約の過程で要求される書類は膨大だ。

  • 免許証、マイナンバー
  • 銀行口座情報、借入履歴
  • 家族情報、従業員情報

 これらを収集することで、業者は倒産者の「逃げ場のない状態」を把握する。
 情報を握ることで、心理的圧迫を与え、契約を継続させる構造だ。


■ 手口3:AIスコアの隙間を突く

 倒産者はAIスコアが低いことから、従来の金融機関からの支援を受けられない。
 このスコアの空白地帯を狙って、合法ヤミ金業者が入り込む。

  • 「AIスコアが低くても資金調達可能」
  • 「倒産履歴があっても即日支援」

 この謳い文句は、倒産者に希望を与えると同時に、高額報酬契約へ誘導する罠である。


■ 手口4:精神的支配 ― 希望と恐怖の綱渡り

 倒産者の心理は脆弱である。
 契約を結ぶと、業者は次のような心理戦術を用いる。

  • 「今契約しなければ二度とチャンスはありません」
  • 「他の支援先はすべて断られています」
  • 「私たちを通さなければ、再起は不可能です」

 これは合法ヤミ金特有の「精神的支配」で、契約を継続させる圧力になる。


■ 危険金融マップ ― 倒産者を取り巻く構造

 倒産者が直面するリスクは複数ある。

  1. 合法ヤミ金・再建コンサル
     形式は合法、実質は高額報酬・違約金・情報吸い上げ
  2. AIスコアによる信用封鎖
     過去データにより融資不可、挑戦行動が減点対象
  3. 公的支援の制度ギャップ
     倒産者は補助金・再建融資から排除されやすい
  4. 人間評価の残る金融機関の限界
     数少ない対面評価ルートも、地域や業種で制約が大きい

 この構造が、倒産者にとって**「逃げ場のない迷路」**を作り出している。


■ 再起のために必要な防衛策

 高橋は、この迷路を抜けるために次の戦略を実行した。

  1. 情報の精査と契約書の読み込み
     提示された契約の内容を弁護士とともに確認し、違法性・リスクを把握
  2. 合法的資金ルートの確保
     地銀、信金、公庫など、AIスコアに依存しないルートを複線化
  3. 心理的耐性の強化
     不安や焦燥に負けず、契約の是非を冷静に判断できる状態を作る
  4. 挑戦の可視化
     改善策、新規事業、再建計画を文書化し、金融機関に説明可能な形で保持

 これにより、倒産者でも「合法ヤミ金の罠」に引っかかるリスクを最小化できる。


■ まとめ:情報と心理が支配する再起の現場

  • 倒産者はAIスコア社会と合法ヤミ金の二重の圧力にさらされる
  • 善意に見える支援も、契約の中身を精査しなければ危険
  • 再起には情報理解、合法ルートの確保、心理的覚悟が不可欠

 倒産は終わりではないが、再起の道は狭く、危険で、複雑だ。
 しかし、正しい知識と戦略があれば、迷路を抜けることは可能である。