中小企業や個人事業主が資金繰りに追われる中、「即日」「売掛先に知られず」「審査も柔軟」といったキャッチコピーで登場するファクタリングサービス。表面的には魅力的だが、その実態には注意すべきリスクが隠れている。
以下では、特定サービス名を出さず、典型的なリスクと注意点を整理する。
■ ① 「最短即日・審査簡単」は魅力だが要警戒
「最短即日で資金化」「数分で審査完了」といったスピード訴求は、経営が逼迫している企業に非常に惹かれる。しかし、速さを優先するあまり、十分な与信が行われない場合がある。
スピードに目を奪われると、手数料や回収条件などの裏コストを見落としやすい。
■ ■ ② 2者間ファクタリング重視の構造に潜む落とし穴
非通知型の2社間取引は、売掛先に知られず資金化できるメリットがある一方、売掛先が支払わなかった場合の契約上の扱いが利用者に残る場合がある。
便利そうという理由だけで飛びつくのは危険だ。
■ ■ ③ 手数料と掛け目のあいまいさ
広告では「手数料最低○%」「買取率最大○%」のような表現がよく使われる。
- “最低”や“最大”は理論上の数字であり、実際に適用されるとは限らない
- 手数料の他に、事務費や契約関連費用が加わることもある
数字だけを鵜呑みにすると、資金繰りの負担が大きくなる可能性がある。
■ ■ ④ 高審査通過率の甘さ
審査通過率が高いサービスは利用者への門戸が広いというメリットがあるが、裏を返せばリスクのある債権も受け入れている可能性がある。
赤字・債務超過・税金滞納の企業でも利用可能と謳う場合、手数料や負担が実質的に高くなることがある。
■ ■ ⑤ 「利息ゼロ」「借金ではない」は誤解を招く
ファクタリングは金銭消費貸借契約ではないため形式上は利息は発生しないが、手数料は実質的な資金調達コスト。
期間換算すると高額になる場合もあるため、言葉の安心感に惑わされず、実際の負担をシミュレーションすることが重要。
■ まとめ:広告文言に惑わされず、契約前に必ず確認すべきこと
- 実際にかかる手数料総額は?
- 追加費用や事務手数料はあるか?
- 売掛先が支払わなかった場合の扱いは?
- 2者間・3者間の契約方式とリスクは?
- 総コストを年率換算したらどれくらいか?
中小企業経営者は、“即日”“審査甘い”“赤字OK”などの言葉だけで判断せず、契約条件の細部を確認することが重要だ。
安易に利用すると、資金繰り改善のつもりが、高コストな資金前払い装置に飲み込まれる危険がある。

