中小企業や個人事業主にとって、資金繰りは常に悩みの種です。
「即日」「審査甘い」「赤字OK」などのキャッチコピーで登場するファクタリングサービス。表面的には便利そうに見えますが、その裏には経営者も従業員も背負わされる高リスクが潜んでいます。
本稿では、元従業員の証言を交え、広告では絶対に見えない現場の実態をルポ形式で紹介します。
■ ① 表向き手数料の甘さに潜む罠
広告では「手数料12%」「最低◯%」と謳われていますが、実際のコストは圧倒的に高額になることが多いのです。
- 小口(100万円以下):30%前後
- 中口(200〜300万円):20〜25%前後
- 大口(1000万円クラス):10〜13%
- 例:手数料12% → 年利換算で約144%
小口取引では、年率換算で数百%相当になる場合もあります。
広告文句だけを見ると安く見えますが、実際は経営者の資金繰りに大きな負担をかけます。
■ ② 2社間ファクタリングの落とし穴
2社間取引は売掛先に知られず資金化できる利便性があります。
しかし、売掛先が支払わなかった場合のリスクはすべて利用者側に残ります。
「広告では“安心”“誰にも知られない”と言っていたのに、現場では入金が遅れると怒鳴り電話の嵐。売掛先が遅延したら全部自分の責任です」と元従業員。
便利に見える契約でも、リスクは経営者が丸抱えです。
■ ③ 元従業員の証言:取り立て現場のリアル
ある元従業員は、返済日に間に合わない案件で以下の指示を受けました。
- 売掛先や関係者に“第三者請求”まがいの連絡
- SNSや公開情報を使った圧力
- 支払い督促書類の即送付
「明らかに違法の可能性がある。でも会社は守ってくれない。自分が捕まるのは目に見えていた」
結局、外に出てそのまま帰宅し、辞表を郵送で提出して退職。
従業員ですら耐えられない現場であることは、利用者にとっての危険の裏返しです。
別の元従業員の証言では、
「督促の電話をかけるとき、利用者の家族情報まで調べて“娘さんダンスされてるんですね”とか、個人的情報を匂わせると回収率が上がると言われた」
現場では、個人情報を利用した心理的圧力も日常的に行われていました。
■ ④ 従業員視点で見た業界の構造
- 違法ギリギリの取り立てを現場担当に丸投げ
- トラブル時の責任は従業員任せ
- 離職が多く、管理体制やサービス品質の維持が困難
- 利用者のリスクは顧客に直接降りかかる
こうした構造こそ、2社間ファクタリングを**「合法を装ったヤミ金融構造」**と呼ばざるを得ない理由です。
■ ⑤ 広告と実態の乖離
- 「即日」「審査甘い」「赤字・債務超過OK」といった文言は、焦る経営者心理に付け込んだキャッチコピー
- 実際の手数料や回収リスクは広告ではほとんど見えない
- 従業員視点の証言で初めて、経営者が直面する危険の一部が理解できる
■ ■ 経営者への警告
広告や表面の手数料に惑わされず、契約前に以下を確認してください。
- 実際にかかる総手数料と年利換算
- 追加費用や事務手数料の有無
- 売掛先が入金しなかった場合の契約上の扱い
- 2社間/3社間の契約方式とリスク
- 利用後の資金繰りシミュレーション
結論
甘い言葉に飛びつく前に、現実の負担とリスクを冷静に見極めること。
それが、資金繰りの助けどころか、経営を追い込む落とし穴から自社を守る唯一の方法です。

